検索
連載

同期制御と補正PLCのモーション制御プログラミング入門(2)(3/3 ページ)

PLCのモーション制御プログラム開発に貢献する「PLCopen Motion Control FB」。本連載ではこのMotion Control FBについてより深く掘り下げ、解説していく。第2回では同期制御と補正について取り上げる。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

同期制御の補正

MC_Phasingの機能

 次に同期制御の補正機能について紹介します。主軸の「フィードバック位置」と「実際の位置」の間にズレが生じる場合があります。また、ワークの伸縮などにより同期制御中に主軸と従軸の間にズレが生じる場合もあります。このような場合は“MC_Phasing”(位相補正)を用います。MC_Phasingでは、主軸位置を仮想的に補正し、これを従軸への入力値として同期制御を行います。

 なお、技術仕様書(Part1 and Part2, Version2.0)では、MC_PhasingAbsolute、MC_PhasingRelativeとして定義されています。

MC_Phasingを用いたプログラム例

 MC_GearInを用いてギア動作を行っている際にMC_Phasingを用いて補正を行う事例を図8に示します。この例では、MC_Phasingを起動するタイミングで主軸と従軸のフィードバック位置の誤差を計算し、MC_Phasingの補正量に入力しています。

MC_Phasingを用いたプログラム事例
図8:MC_Phasingを用いたプログラム事例(オムロン製Sysmac Studio画面)(クリックで拡大)

 動作結果を図9に示します。補正前は「主軸のフィードバック位置」(赤線)と「従軸のフィードバック位置」(青線)にはズレがあります。しかし、MC_Phasingの実行後は主軸と従軸が完全に一致しています。

MC_Phasing による位相補正結果
図9:MC_Phasing による位相補正結果(オムロン製Sysmac Studio画面に加筆)(クリックで拡大)

終わりに

 今回は、同期制御と補正についてプログラム事例を紹介しました。Motion Control FBには、同期制御に必要な機能が定義されていることがお分かりいただけたと思います。

 なお今回は紹介していませんが、Motion Control FBにはカムテーブルを用いた“MC_CamIn”(カム動作)、2つの軸の値を加減算して指令値を決定できる“MC_CombineAxes”(加減算位置決め)といったFBもあります。これらについては、PLCopenのWebサイトや各PLCベンダーの情報をご確認ください。


 次回は、軸グループ制御(補間動作)について紹介します。

※) PLCopenおよび関連するロゴマークはPLCopenが所有する登録商標です。

※) Sysmacは、オムロン製FA機器製品の日本およびその他の国における登録商標です。




Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る