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同期制御と補正PLCのモーション制御プログラミング入門(2)(2/3 ページ)

PLCのモーション制御プログラム開発に貢献する「PLCopen Motion Control FB」。本連載ではこのMotion Control FBについてより深く掘り下げ、解説していく。第2回では同期制御と補正について取り上げる。

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位置指定ギア動作

MC_GearInPosの機能

 “MC_GearInPos”(位置指定ギア動作)は、主軸と従軸の両軸に対して同期開始位置を指定するファンクションブロック(FB)です。MC_GearInPos を起動すると、従軸は主軸に対して「追い掛け動作(Catching Phase)」を開始します(図3)。主軸と従軸が同期開始位置を通過するとギア動作に切り替わります。

MC_GearInPosの動作イメージ
図3:MC_GearInPosの動作イメージ(クリックで拡大)

MC_GearInPosのプログラム事例

 MC_GearInPosをロータリーカッターに適用したプログラム事例を紹介します。ロータリーカッター(ロータリーナイフと呼ばれる場合もあります)は、フィルムや紙、針金などの長いワークを所定の長さに切断する際に使用する機構です。カッター(刃)の取り付けられた軸が、ワーク(切断対象)に同期しながらワークを切断します(図4)。今回の例では、ワークを送る軸を主軸、カッターを取り付けた軸を従軸とし、カッターは1枚刃としています。

ロータリーカッター機構
図4:ロータリーカッター機構(クリックで拡大)

 本例では図5のように、従軸が15°の位置からMC_GearInPosによる動作を開始します。60°まで「追い掛け動作」を行った後、主軸の「フィードバック位置」に対してギア比1:1のギア動作を行います。従軸が120°を過ぎたら同期を解除し、15°に戻ります。

ロータリーカッターの動作イメージ
図5:ロータリーカッターの動作イメージ(クリックで拡大)

 プログラム事例を図6、動作結果を図7に示します。図6の1行目では主軸の速度制御を開始します。2〜3行目は、図5で説明した例の動作を行っています。

 ロータリーカッターのような複雑な動作であっても、MC_GearInPosとMC_MoveAbsoluteにより簡単に実現できます。また、同期制御専用のプログラミングツールが不要であり、単軸制御FBと同じルックアンドフィールで同期制御FBがプログラミングできるという点もMotion Control FBの特長と言えます。

MC_GearInPosのプログラム事例
図6:MC_GearInPosのプログラム事例(オムロン製Sysmac Studio画面)(クリックで拡大)
MC_GearInPosの動作結果
図7:MC_GearInPosの動作結果(オムロン製Sysmac Studio画面に加筆)(クリックで拡大)

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