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同期制御と補正PLCのモーション制御プログラミング入門(2)(1/3 ページ)

PLCのモーション制御プログラム開発に貢献する「PLCopen Motion Control FB」。本連載ではこのMotion Control FBについてより深く掘り下げ、解説していく。第2回では同期制御と補正について取り上げる。

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 PLCopenのMotion Control FB(ファンクションブロック)を使ったモーション制御プログラムの事例を紹介するシリーズの第2回です。PLCopenのMotion Control FBとは、IEC 61131-3準拠のPLC(Programmable Logic Controller)で使用するモーション制御用ファンクションブロックのことです。前回の「Motion Control FBの共通仕様と単軸の位置決め制御」では、Motion Control FBのインタフェースの振る舞いとバッファモードについて説明しました。今回は、「同期制御」と「同期制御の補正」の概要とプログラム事例を紹介します。

 前回と同様、紹介するプログラム事例は特に断りがない限り、PLCopen Motion Control FBの技術仕様書に記載された範囲内で実現できるものを示します※1)

※1)技術仕様書の実現内容は各PLCベンダーに依存します。本連載で紹介するプログラム事例、動作事例が各ベンダーのPLCopen認証Motion Control FBで実現できることを保証するものではありません。



同期制御

同期制御の広がり

 「同期」という言葉はさまざまな用途で使用されますが、本連載における「同期制御」は、図1のように主軸(入力軸)と従軸(出力軸)がギア(歯車)やカムテーブル(カム)を用いて、まさしく「同期」して動作する制御方式のことです。

 近年、歯車やカムを用いたメカ機構がサーボモータに置き換わる事例が増えています。モータを使用する同期制御の場合、メカ機構に比べ動作パターンの変更が簡単です。また、メンテナンス性の良さ、振動・騒音の軽減、金属片などの異物混入の防止といったメリットもあります。加えて、サーボアンプやコントローラ、モーションネットワークの性能向上もあり、以前より同期制御を採用しやすくなったと言えます。

図1:ギア動作・カム動作の関係
図1:ギア動作・カム動作の関係(クリックで拡大)

Motion Control FBに対応していないPLCでの同期制御

 Motion Control FB非対応のPLCで同期制御を実現する場合、ユーザーが同期制御のアルゴリズムを実装する必要がありました。ギア動作をLD言語(ラダー言語)で実装した例を図2に示します。図で示している部分はギア比演算の一部ですが、複数の処理が必要になります。

Motion Control FB非サポートPLCでのギア動作のプログラム例(オムロン製CX-One画面)
図2:Motion Control FB非サポートPLCでのギア動作のプログラム例(オムロン製CX-One画面)(クリックで拡大)

 PLCベンダーが同期制御用の独自のプログラミングツールを提供している場合もありますが、PLCベンダーごとにツール操作を覚える必要があるうえ、単軸制御と異なるプログラミングツールが必要になります。

Motion Control FBの同期制御FB

 Motion Control FBでは、単軸制御と同じルックアンドフィール(見た目や操作感)であり、かつ簡単に同期制御を実現するために、PLCopenの技術仕様書(Part1 and Part2、Version2.0)には9つのFBを定義しています(2014年6月現在)。定義されているFBを表1に記載します。詳しくはPLCopenのWebサイトを参照してください。

PLCopenの技術仕様書(Part1 and Part2 Version2.0)に定義されている同期制御
表1:PLCopenの技術仕様書(Part1 and Part2, Version2.0)に定義されている同期制御(クリックで拡大)

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