ダッソー、マルチボディシミュレーションが強みの独シムパックを買収:製造マネジメントニュース
シムパックは、マルチボディシミュレーション技術・ソリューション企業。この買収により、ダッソー・システムズのSIMULIAリアリスティック・マルチフィジックス・シミュレーション技術が強化されるという。
仏ダッソー・システムズは2014年7月11日(現地時間)、独シムパックを買収したと発表した。全額現金で同年7月10日に買収を完了した。買収金額は非公開となっている。
ダッソー・システムズは、3D設計ソフトウェア、3Dデジタル・モックアップ、PLMソリューションなどを扱い「3Dエクスペリエンス」を提唱する企業だ。
一方のシムパックは、マルチボディシミュレーション技術・ソリューション企業。特に複雑なモデルの扱い、摩擦や柔軟な構造などの非線形性、効率的な数値アルゴリズム、リアルタイム機能などについて高い技術力を持ち、アプリケーションの幅も広い。エネルギー、自動車、鉄道などの各産業で、アルストム、ボンバルディア、BMW、ダイムラー、ホンダ、ジャガー・ランドローバー、MAN、Vestasなど、130社以上の顧客を有している。
今回の買収により、ダッソー・システムズは同社の3Dエクスペリエンス・プラットフォームにシムパックの技術を取り入れ、機能拡張できるようになるとしている。とりわけダッソー・システムズのSIMULIAリアリスティック・マルチフィジックス・シミュレーション技術が、仮想コンセプト検証からリアルタイム・エクスペリエンスまで、マルチボディ・メカトロニクス・システム全体に及ぶものとなるという。
主な対象分野は自動車・輸送機械、航空宇宙・防衛など。さらに、アセンブリ用の高精度リアルタイム・メカトロニクス・シミュレーション、スマート・システムズの制御などを組み合わせることで、最先端システムのエンドツーエンド開発に必要な総合的な技術を提供するとしている。
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