「クルマがロボットになる時代、設計は変わる」 メンターが独XS Embedded買収:企業動向
Mentor Graphicsが車載システムアーキテクチャとリファレンスボードを手がける、ドイツのXS Embeddedを買収した。ワンストップの車載システム開発を提供する狙い。
Mentor Graphics(メンター)は2014年7月9日(米国時間)、車載システムアーキテクチャならびにリファレンスボードを手がける、ドイツのXS Embeddedを買収したと発表した。
同社は2005年に車載ネットワーク設計ツールを扱うVolcano Communication Technologies、2013年には組み込みLinuxを手がけるMontaVistaのオートモーティブ関連一部資産を買収するなど、車載システムへの関与を強めており、今回のXS Embedded買収もその一環と言える。
買収されたXS Embeddedは20件以上の自動車開発プロジェクトに携わった実績を持ち、Texas Instrumentsのプロセッサ「Jacinto 6」ベースのリファレンスボード「XS AXSB」およびソフトウェアスタック「XS OPTstack」などを提供することにより、量産開始までの時間を短縮する手法で知られる。
メンターとしては、XS Embeddedの持つ資産で車載情報機器(IVI)ソリューションを強化するほか、リファレンスハードウェアを持つことで車載向け組み込みソリューションの開発速度向上を提供することが可能となる。
「現在、最も電子化が進んでいるといわれるクルマでは電子制御ユニットが200個以上、ワイヤーハーネスは4km以上、ソフトウェアのコードは6500万行に達しており、しかも、それらは個別に設計開発されており、効率化が求められる」
メンター・グラフィックス・ジャパン 社長のグレッグ A.ヘルトン氏は統合された車載向け組み込み開発ソリューションの必要性をこう訴える。
「クルマがロボット化する時代は必ず来る。ロボット化するクルマを開発するためにはプラットフォームレベルでのシステムエンジニアリングが必要で、そのための投資を行っている。クルマの設計の方法は大きく変わるのだ。XS Embedded買収もその一環と言える」(ヘルトン氏)
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