アスラテックの「V-Sido OS」が建設機械操作ロボットの実現をサポート:次世代社会インフラ用ロボの現場検証対象技術決定
国土交通省は、公募を行っていた「次世代社会インフラ用ロボット技術・ロボットシステム(災害応急復旧技術)」の「現場検証対象技術」が決定したと発表した。
国土交通省は2014年7月8日、公募を行っていた「次世代社会インフラ用ロボット技術・ロボットシステム(災害応急復旧技術)」の「現場検証対象技術」が決定したと発表した。
公募期間は同年4月9日〜5月28日。橋梁やトンネル、水中設備などの維持管理や災害対応(調査、応急復旧)に役立つ技術として、現場検証・評価の対象とするロボット技術・ロボットシステムを募集し、民間企業や大学などから10件・7者の応募があったという。
次世代社会インフラ用ロボット現場検証委員会 災害復旧部会により、基本要件の確認などが行われ、9件・6者(フジタ、大林組、トプコン、コーワテック、熊谷組、富士建)を現場検証対象技術として決定した。内訳は、(1)掘削・押土・盛土などの応急復旧に関するものが4件4者、(2)排水作業の応急対応に関するものが1件1者、(3)機械などの制御にかかる情報の伝達に関するものが4件3者。
今後、同年10月からの現場検証に向けて、検証方法および検証場所などについて、適宜、応募者と協議を行い、応急復旧部会の審議を経て、具体化していくという。
ソフトバンクグループのアスラテックが共同開発
今回、選定された技術の中には、富士建による「人型ロボットによる建設機械操縦システム(DOKA ROBO)」が含まれる。これは、身長150cm、重量20kgほどの等身大ヒューマノイドロボットを汎用の建設機械の運転席に搭乗させて、無線通信による遠隔操縦を行うシステムである。
ロボットの頭部には、ステレオカメラが搭載されており、前方の作業状況などを3D画像として操縦者のヘッドマウントディスプレイ(HMD)に伝送する。ロボットと操縦者側のシステムとは無線LANで通信を行っており、200m程度の範囲であれば遠隔操作が可能で、中継局を増設すればさらに距離を延ばすこともできるという。
なお、ロボット制御ソフトウェア「V-Sido OS」を手掛けるソフトバンクグループのアスラテックが共同開発企業として、同システムの実現を支援。V-Sido OSの生みの親である、アスラテック チーフロボットクリエーターの吉崎航氏が開発のサポートを行っているという(関連記事:ホビーロボから巨大ロボまで――ロボットの簡単制御を実現する「V-Sido CONNECT」)。
アスラテックが同年6月11日に行った新規ロボット事業発表会の場においても、V-Sido OSの採用企業の1社として富士建の名を挙げており、建設機械操作ロボットへの適用事例を紹介していた。また、同事業発表会で初披露された、V-Sido OSの特徴を具現化したコンセプトロボット「ASRA C1」のデモの中で、スティックタイプのコントローラによる制御や、ヘッドトラッキングの機能が備わったHMDによる制御の説明も行っていた(関連記事:ソフトバンクのロボット事業、本命は「Pepper」ではなく「V-Sido OS」か!?)。
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