日立製作所、SaaS型機器ライフサイクル支援サービスに企業向けSNSを追加:製造ITニュース
セールスフォース・ドットコムのSNS基盤と同社のグローバル電子書庫を連携させ、より効率的かつ安全にデータ・情報を共有できるようにした。グローバル展開を進める企業に向け、複数拠点で導入しやすく、事業展開に合わせた拡張が容易なSaaS型のクラウドサービスとなっている。
日立製作所は2014年6月6日、SaaS型機器ライフサイクル支援サービス「Global e-Service on TWX-21」の新メニューとして、企業向けSNS「Global e-Service on TWX-21/Business SNS」(以下、Business SNS)を開発したと発表した。6月10日から販売を開始する。
製造業では近年、アフターサービスを強化し、機器のライフサイクル全体から収益を上げようとする傾向がある。また、グローバルな事業展開に向け、ITや通信、分析技術を利用して、機器のライフサイクル全体のデータ・情報を収集・蓄積・共有するニーズも高まっている。
同社が2012年9月に提供を開始したGlobal e-Service on TWX-21は、機器の設計・開発から、製造・販売・稼働・保守まで、ライフサイクル全体のデータ・情報を収集・蓄積・共有し、活用するためのサービス。これまでは、データ・情報共有基盤として「Global e-Service on TWX-21/グローバル電子書庫」(以下、グローバル電子書庫)を用いてきた。
今回開発されたBusiness SNSは、より効率的かつ安全にデータ・情報を共有し、活発に意見交換できるよう開発されたもの。セールスフォース・ドットコムのSNS基盤と同社のグローバル電子書庫を連携させ、セキュリティなどを強化した。セールスフォース・ドットコムのマーケットプレース「AppExchange」でも、製造業に限らず国内の幅広い企業向けに提供する。
Business SNSでは、専用のSNS上に記事を投稿し、コメントのやりとりができるだけでなく、グローバル電子書庫にあるドキュメントデータの中身をキーワードで検索できる全文検索機能など、多彩な機能を備える。セキュリティ面では、SNSの投稿記事やグローバル電子書庫にあるドキュメントデータの閲覧範囲を、企業・組織や製品カテゴリーなどの単位で柔軟かつ容易に設定できる階層型管理構造を採用した。また、国や企業・組織が異なる関係者が利用することを前提として、複数拠点で導入しやすく、事業展開に合わせた拡張が容易なSaaS型のクラウドサービスとなっている。
同社では今後、Business SNSの機能を向上させるとともに、Global e-Service on TWX-21の機械管理や保守履歴管理、M2Mサービスなどの機能との連携を強化していくとしている。
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