車載Android推進団体OAAの参加規模が6倍に、2014年末に「Android Auto」も登場:車載情報機器
自動車へのAndroidプラットフォーム搭載を推進する団体「オープン・オートモーティブ・アライアンス(OAA)」は、新たに活動に参加することになった29の企業・ブランド名を発表した。2014年末には、Androidスマートフォンと車載情報機器を連携させる「Android Auto」を搭載する車両が市場投入される見込みだ。
自動車へのAndroidプラットフォーム搭載を推進する団体「オープン・オートモーティブ・アライアンス(OAA)」は2014年6月25日(米国時間)、新たに活動に参加することになった29の企業・ブランド名を発表した。
今回の発表は、Google(グーグル)が開催した開発者会議「Google I/O」に合わせて行われたもの。
29の企業・ブランド名は以下の通り。自動車メーカーからは、Bentley Motors(ベントレー)、FIAT Chrysler Automobiles(フィアット クライスラー)、Ford Motor(フォード)、Infiniti(インフィニティ)、Maserati(マセラティ)、マツダ、三菱自動車、日産自動車、Renault(ルノー)、SEAT(セアト)、Skoda(シュコダ)、富士重工業、スズキ、Volkswagen(フォルクスワーゲン)、Volvo Cars(ボルボ)の15の企業とブランドが参加。車載情報機器メーカーは、アルパイン、クラリオン、Delphi Automotive(デルファイ)、富士通テン、Harman International Industries(ハーマン)、JVCケンウッド、LG Electronics(LG電子)、パナソニック、パイオニアの9社が参加する。半導体メーカーでは、車載半導体でトップクラスのシェアを握る、ルネサス エレクトロニクスとFreescale Semiconductorの2社が名乗りを上げた。これらの他、ベンチャー企業のCloudCarとParrot、ソフトウェア開発サービスを手掛けるSymphony Telecaも参加する。
OAAは、同年1月に設立された時点の参加企業数は、Androidプラットフォームを展開するGoogle(グーグル)の他、ホンダ、General Motors(GM)、Audi(アウディ)、Hyundai Motor(現代自動車)、半導体メーカーのNVIDIAの6社だけだった(関連記事:「iOS in the Car」に対応予定のホンダ、車載Androidを促進する新団体にも参加)。約半年が経過して、その規模は約6倍の35社まで拡大したことになる。
なお、OAAのWebサイトでは、自動車メーカーのパートナーとして、フィアット クライスラー傘下の8ブランド(アバルト、アルファロメオ、クライスラー、ダッジ、フィアット、ジープ、マセラティ、ラム)、GM傘下の2ブランド(シボレーとオペル)、現代自動車傘下の2ブランド(現代自動車と起亜自動車)、ホンダ傘下の2ブランド(ホンダとアキュラ)のロゴが表示されている。
Appleの「CarPlay」に「Android Auto」で対抗
Google I/Oでは、Androidスマートフォンと連携可能な「Android Auto」も発表された。Android Autoを使えば、車載情報機器側のディスプレイで、Googleマップベースのカーナゲーションや音楽プレーヤーなどのAndroidアプリを表示/操作できるようになる。また、運転中のドライバーの運転の妨げにならないように、音声入力による検索などにも対応するという。2014年末には、Android Autoを搭載する車両が市場投入される見込みだ。
Android Autoの機能は、Appleが2014年3月に発表した「CarPlay」とほぼ同じだ。CarPlayは16社の自動車メーカーが対応する予定である(関連記事:「iOS in the Car」の正式名は「CarPlay」、トヨタや日産、ホンダなど16社が採用)。
これら16社のうち、ホンダ、三菱自動車、日産自動車、富士重工業、スズキ、フォード、GM、現代自動車、起亜自動車、ボルボの10社はOAAにも参加している。CarPlayへの対応を表明しながらOAAに参加していないのは、Ferrari(フェラーリ)とDaimler(ダイムラー)のMercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)ブランド、トヨタ自動車、BMW、Jaguar Land Rover(ジャガーランドローバー)、PSAグループの6社・ブランドである。一方、OAAの参加企業で、CarPlayへの対応を発表していないのは、フィアット クライスラー、フォルクスワーゲングループの5ブランド(アウディ、ベントレー、セアト、シュコダ、フォルクスワーゲン)の6社・ブランドとなる。
ただし、ダイムラーについては、「Googleが車載情報機器と連携するシステムを市場投入すれば、即座にメルセデス・ベンツの顧客が車両内でAndroid端末のサービスも利用できるようにする」(同社)とコメントしている(関連記事:「CarPlay」対応予定のメルセデス・ベンツ、「もちろんAndroidにも対応する」)。トヨタ自動車も、新テレマティクスサービス「T-Connect」を発表した際に、「OAAに関する情報収集も進めている」(同社常務役員の友山茂樹氏)とコメントしており(関連記事:トヨタの新テレマティクス「T-Connect」はマイクロソフト+IBM+Linux?)、Android Autoへの対応に否定的ではないようだ。
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