「CarPlay」対応予定のメルセデス・ベンツ、「もちろんAndroidにも対応する」:車載情報機器
Appleによる、車載情報機器「iPhone」を連携させる新機能「CarPlay」の正式発表を受けて、「第84回ジュネーブ国際モーターショー」でデモを披露するフェラーリ、メルセデス・ベンツ、ボルボがその概要を発表。ただしメルセデス・ベンツは、CarPlay一辺倒ではなく、「Androidにも対応する」という方針も強調している。
Appleによる、車両に搭載したインダッシュタイプのディスプレイモジュールと「iPhone」を連携させる新機能「CarPlay」の正式発表(関連記事:「iOS in the Car」の正式名は「CarPlay」、トヨタや日産、ホンダなど16社が採用)を受けて、スイス・ジュネーブで開催される「第84回ジュネーブ国際モーターショー」(一般公開日2014年3月6〜16日)でデモンストレーションを行うFerrari(フェラーリ)、Daimler(ダイムラー)の「Mercedes Benz(メルセデス・ベンツ)」ブランド、Volvo Cars(ボルボ)がその概要を2014年3月3日(欧州時間)に発表した。
フェラーリは、排気量3.9l(リットル)の直噴V型8気筒エンジンを搭載するコンバーチブルタイプのスポーツカー「カリフォルニアT」を世界初披露するとともに、4人乗りの「フェラーリFF」を使ってCarPlayのデモンストレーションを行う。
一方ボルボは、2014年後半発売予定のSUV「XC90」向けに新たに開発した車載情報機器を使ってデモンストレーションを披露することになりそうだ。この車載情報機器には、タブレット端末のように縦長の大型ディスプレイが搭載されている。実際に、新型XC90は発売と同時にCarPlayに対応する計画だという。
メルセデス・ベンツ「他のOSを搭載するスマートフォンにも対応」
メルセデス・ベンツは、2014年1月の「デトロイトモーターショー2014」で発表した新型「Cクラス」を使ってCarPlayのデモンストレーションを披露する予定である。
しかしダイムラーの発表文では、CarPlayへの対応と併せて、AppleのiPhoneと競合するGoogleのAndroidプラットフォームに対応する方針も強調されている。「Googleが車載情報機器と連携するシステムを市場投入すれば、即座にメルセデス・ベンツの顧客が車両内でAndroid端末のサービスも利用できるようにする」(ダイムラー)という。
さらにダイムラーは、「AMG」ブランドから2011年に発表した「SLS AMG」にAndroidベースの車載情報機器「AMG Performance Media」を搭載していることや、車載情報機器とAndroid端末などのスマートフォンを連携させる通信規格「MirrorLink」を策定するCar Connectivityコンソーシアム(CCC)の創設メンバーであることも主張しており、AppleのCarPlay一辺倒でない姿勢を見せている。そして、「メルセデス・ベンツにおける車載情報機器開発の目標は、iOS端末とAndroid端末のどちらにも対応するだけでなく、他のOSを搭載するスマートフォンにも対応できる最大級の互換性を提供することにある」(ダイムラー)としている。
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