ボッシュの日本メーカー向け売上高が大幅増、IoT時代に向けセンサー技術も磨く:企業動向
ドイツの大手電装部品メーカーRobert Boschの日本法人・ボッシュは、東京都内で会見を開き、2013年の業績と2014年の業績予測に加え、今後の事業戦略を発表した。
ドイツの大手電装部品メーカーRobert Boschの日本法人・ボッシュは2014年6月19日、東京都内で会見を開き、2013年の業績と同社の2014年の業績予測を発表した。
Robert Boschの2013年の業績は、売上高が前年比3.1%増の461億ユーロ、税引き前利益が前年比33%増の28億ユーロとなった。アジア/パシフィック地域の成長が顕著で、売上高は前年比5.8%増、全体に占める売上高比率でも24%となった。日本法人・ボッシュ社長のヘルベルト・ヘミング氏は、「2013年度はグローバルな活動が非常に良い状態で推移し、革新的な製品で売り上げを伸ばした。経費削減にも注力し、為替変動による15億ユーロのマイナスがあったものの、Robert Bosch全体の売り上げは前年比で3.1%増加した。2013年に引き続き2014年の業績も好調に推移する見込みで、売上高成長率は3〜5%を見込んでいる」と語った。
日本法人であるボッシュも安定成長で推移している。2013年の売上高は3200億円で、前年比2.5%の伸びとなった。売上高のうちの86%が、車載システムを中心とする自動車機器テクノロジー事業となる。Robert Bosch全体で見た場合、日本の自動車メーカー向け売上高は前年比10%増という結果になった。これは日本市場向けの売上高がベースとなるボッシュの伸び率の約4倍にもなる。なお、ボッシュの2014年の業績予測は、Robert Boschと同様に3〜5%の売上高成長を見込んでいるという。
ヘミング氏は日本市場について、「成熟市場だが変化もしている市場であり、そこで新たな成長のチャンスをつかみたい。日本のような成熟市場で成功するための秘訣はイノベーションにある。また、日本でのイノベーションや経験を生かし、世界的な成長と成功につなげていく」と語った。
同社は今後の成長戦略における重要な鍵として、センサーテクノロジーを挙げている。自動車の電動化や自動運転技術、工場の自動化など、将来的にあらゆる分野でIoT(モノのインターネット)化が進むことを見据え、同社が培ってきたセンサーテクノロジー技術を中軸にしてイノベーションを進めていくという。また、検査技術や包装機械など、現在の主力分野となっている自動車事業以外の領域の成長にも注力するとしている。
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