日立オートモーティブがマキシムの電池監視ICを採用、日産のハイブリッド車に搭載:車載半導体
Maxim Integrated Products(マキシム)は、同社の車載二次電池セル監視ICが、日産自動車の北米市場向けハイブリッドSUV「パスファインダー ハイブリッド」に採用されたと発表した。
Maxim Integrated Products(マキシム)は2014年6月2日、同社の車載二次電池セル監視ICが、日産自動車の北米市場向けハイブリッドSUV「パスファインダー ハイブリッド」に採用されたと発表した。
パスファインダー ハイブリッドは、日産自動車が新たに開発したFF車向けのハイブリッドシステムを搭載している(関連記事:日産がFF車用ハイブリッドシステムを試作車に搭載、量産は北米市場で2013年から)。リチウムイオン電池セルを用いる二次電池システムのサプライヤは日立オートモティブシステムで、同システムの開発は日立オートモティブシステムのグループ会社である日立ビークルエナジーが担当した。マキシムは、日立ビークルエナジーに車載二次電池セル監視ICを納入している。
マキシムは、「当社の車載二次電池セル監視ICが、パスファインダー ハイブリッドに最重要保安部品として採用された要因は、多彩な自己診断を実現する回路を有しており、豊富な診断用回路、堅牢なディジーチェーン型データ通信、高耐圧プロセスの採用など他社にない特徴を持っていることによる。これらの機能により、二次電池システムの安全性を向上させるとともに走行距離をさらに広げられる」としている。
同社が車載分野で採用されている製品は、カーオーディオやカーナビゲーションシステムなどの車載情報機器向けが多い。今回、ハイブリッドシステムというパワートレイン系の基幹部品に採用された実績をてこに、車載分野でのさらなる事業拡大を目指す考えだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「不良率を5年で94%削減」、マキシムが車載事業拡大に向け品質向上に取り組む
車載事業拡大に向けた取り組みを進める大手アナログICベンダーのMaxim Integrated Products(マキシム)。「欠陥ゼロの精神」のもと出荷品質の向上に努めており、2013年の不良率は、2008年比で94%減って、数ppmのレベルまで低減できているという。 - 白熱する車載バッテリーモニターIC市場、量産採用決めたマキシムが展開を拡大へ
電気自動車やハイブリッド車の大容量車載電池システムに用いられるバッテリーモニターIC市場では、現在多くのICベンダーがしのぎを削っている。そのうちの1社であるMaxim Integrated Products(マキシム)は、2013年以降に発売される量産車への製品採用を続々と決めている。 - 2012年は車載分野に最大注力、国内市場攻略が成長の鍵に
車載分野に注力する方針を表明しているアナログ半導体大手のMaxim Integrated Products。特に、国内の自動車メーカーやティア1サプライヤの取り込みは至上課題となっている。同社の車載半導体事業の担当者に、国内車載市場を攻略するための取り組みについて聞いた。 - 日産がFF車用ハイブリッドシステムを試作車に搭載、量産は北米市場で2013年から
日産自動車は、開発中のFF車用のハイブリッドシステムを搭載した試作車を公開した。試作車のベース車両は、北米市場で販売されている7人乗りのクロスオーバーSUV(スポーツ多目的車)「インフィニティ JX」である。