検索
連載

あの無償3DCADのその後 Part2――もう少し便利に3次元って、面白っ! 〜操さんの3次元CAD考〜(35)(2/2 ページ)

無償3次元CAD「Autodesk123D Design」が1年ぶりにバージョンアップ。STLのインポートに対応したり、SVGファイルを下絵として取り込めるようになったり、少し便利になった。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

メッシュデータ(STLとOBJ)の読み込みはできる、けど……

 新バージョンでは、メッシュ(ポリゴン)データであるOBJとSTLを読み込めるようになりました。例えば、「3次元CGで作ったフィギュアにCADで作成した剣を持たせたい」とか、「3次元データのシェアサービスからダウンロードしてきたSTLファイルに穴を開けたい」といったことが可能です。ただし、読み込んだだけのメッシュデータは、「Extrude」(押し出し)などで編集が一切できません。ポリゴンモデラーのような操作もできません。できるのは、形状のスケール変更(拡大・縮小)くらいです。

 形状編集したい場合は、編集用に別途ソリッドを作る必要があります。ソリッドで形状を作った後、メッシュ形状とブーリアン(Combine)します。処理後は、全てメッシュになるので、再度形状編集ができなくなります。その後も形状編集が必要そうな場合には注意が必要です。

 なおポリゴンの形状が閉じていない場合にはブーリアンできません。その際は、エラーメッセージが表示されます。

3D Printerメニューの出口がMeshmixerに変更

 123D Designでは、STLデータの出力方法として、「クラウドにアップロード」「直接出力」「アドオンソフト経由で出力」の3つがあります。旧バージョンの「3D PRINT」のメニューはアドオンソフトを経由する機能でしたが、新バージョンでは、オートデスクのメッシュデータ編集ソフト「Meshmixer」が起動します。Meshmixerは、ソフトウェア単体も無償で使用できます。

 旧バージョンの機能と同様に「Replicator 2」や「Objet」などいくつかの特定の3Dプリンタを意識した設定が可能です。またデータにエラーがあった場合には修正もできます。例えば、下記の動画に出てくるウサギは、もともとMeshmixerで用意されていたものを、いったん123D Designで読み込んで、さらに3D PRINTメニューでMeshmixerに戻ってきたものです。

 このモデルの下部は、いわゆる「閉じていない状態」です。このままでは3Dプリンタで出力できません。Meshmixerの修復するメニューで簡単に穴がふさげます。Netfabbで確認してみると修正されていることが分かります。

SVGファイルの取り込みが可能に

 最後にもう1つ、新たに登場した便利機能を紹介します。旧バージョンでは、写真や画像を下絵にした3次元データ作成ができませんでした。ちなみに「Autodesk 123Dβ」(123D Designの前バージョン)では画像の取り込みができました。本連載第9回「無償のAutodesk 123Dで伊予鉄の模型を作ろう」の作業では、画像を123Dβのキャンバス上に貼り付け、その上に輪郭をスケッチしていました。

 新バージョンでは、SVGファイルの取り込みが可能になりました。SVGは、XMLベースのベクター画像形式で、ビットマップ・ベクター画像ソフト「Adobe Illustrator」で作成できるデータです。Illustratorが手元にない場合は、ひと手間掛かりますが「Inkscape」のようなフリーのベクターソフトを使うとよいでしょう。下絵にしたい画像を取り込んで、その上を線でトレースした後、SVG形式で保存します。


SVGの取り込み

 以下の動画では、筆者の会社であるニコラデザインのロゴを例に、SVGファイル取り込みの説明をしています。

 ロゴデータはIllustrator形式で存在していました。それをIllustratorで開いてSVG形式で保存し直した後、123D Designに読み込んでソリッド化しています。JPEGの写真しかない場合でも、Illustratorで一旦読み込んで、必要なシルエットを作成し、(Illustratorがない場合には、Inkscapeで)それをSVG形式で保存すれば、123D Designのスケッチ作成で利用できます。

                 ◇

 今回は、「Autodesk123D Design ver 1.4」について説明しました。モデリングそのものに関する機能改善をもっとしてほしかった人には少々物足りないかもしれません。個人的には、操作を便利にする機能が追加されてよしと思っていますが、作業平面作成や、IGES、STEPなどへのエキスポート機能が付いてくれると、もっとうれしいですね。

 ということで、こちらで失礼します。ではでは。


つながる、広がる、モノづくり――。「3Dモデラボ」

3Dモデラボ
3Dモデルデータ投稿・共有サービス「3Dモデラボ」。3Dモデルデータを共有し、

モノづくりの楽しさをシェアしよう!!


Profile

水野 操(みずの みさお)

1967年生まれ。ニコラデザイン・アンド・テクノロジー代表取締役。マルチ・ディメンション合同会社社長。3D-GAN理事。外資系大手PLMベンダーやコンサルティングファームにて3次元CADやCAE、エンタープライズPDMの導入に携わったほか、プロダクトマーケティングやビジネスデベロップメントに従事。2004年11月にニコラデザイン・アンド・テクノロジーを起業し、オリジナルブランドの製品を展開しているほか、マーケティングやIT導入のコンサルティングを行っている。著書に『絵ときでわかる3次元CADの本』(日刊工業新聞社刊)などがある。



前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る