無償のAutodesk 123Dで伊予鉄の模型を作ろう:3次元って、面白っ! 〜操さんの3次元CAD考〜(9)(1/3 ページ)
今回は、無償の3次元CAD「Autodesk 123D」で伊予鉄道のNゲージをモデリング。もちろん3次元プリンタで出力可能だ。
今回は再び、“Autodesk 123Dネタ”です。というのも、2011年7月に公開した「無償3DCADを試す ――そして時代は変わる?」がナンと! 2012年2月時点で、いまだに多くの人に読まれているという状況が続いているからです(皆さま、ありがとうございます)。
今度はもう少し本格的に、“何か”をモデリングしてみようかと思います。というところでお題が決定しました。
「Nゲージをモデリングしよう!」です。
*「Nゲージ」:縮尺が148〜160分の1で、軌間9mmの鉄道模型。
なぜ、そういうことになったのかと言うと、私も理事を務める3次元データを活用する会(3D-GAN)では、現在幾つかのモデリング講座を実施、あるいは計画中だからです。これまでに実施したものとしては、「フィギュア原型師のための初めての3次元モデリング講座」という3次元CGによるモデリングの講座です。そして、その続編として企画中なのが、まさに「Nゲージでモデリングしよう!」。
現在、3D-GANの理事の1人で、元バリバリのCADのエンジニア Iさんを中心に企画してもらっています。せっかくモデリングをするからには、「何か形になって自分の趣味でも使用できるもの」、そして「3次元プリンタでも出力が可能なもの」。それは何か、というところでNゲージに話が至ったのです。
そして、もう少し本格的に、ホビーとして鉄道模型を作成する人の要求にも十分耐え得るものが、フリーの3次元モデラーであるAutodesk 123Dでもデキるのか。そんなことも、私としては興味のあるところでした。そして、セミナーの中身がほぼ確定してきた模様……というところで、私が今回実験台となり、これから展開していくセミナーのさわりをこの記事で紹介しようと考えたわけなのでした。
今回の題材は700系
さて、今回モデリングするのは、なぜか伊予鉄道の700系。
「お、そういえばこの電車、どういうわけか見覚えがある。これってひょっとして、昔は京王線の5000系だったのでは?」――どうりで懐かしいわけです。ちなみに、私もIさんも日常的によく使うのは京王線。それだけで私も、何だかやる気になってきました。
というところで、ここからはどんな機能があるのかも少し絡めつつ、具体的にモデリングを進めていきます。
模型の形状をスケッチする
まずは……Autodesk 123D(以降は、「123D」)を起動します。「無償3DCADを試す ――そして時代は変わる?」を書いたときからバージョンアップを重ねて、機能もより磨かれています。ここでは詳細を省きますが、例えばレーザーカッター用の出力機能も付きました。細かなモデリングの機能なども改善してきているようですね。立ち上げてスケッチをするときの表示も若干変わっています。
さあ早速スケッチを始めましょう。
まずは、模型の顔に当たる部分の基本形状を作成します、ごく基本的なスケッチです。高さは17.6mm、幅は左右それぞれに9mm。つまり18mmですね。これをXZ平面にスケッチします。
この基本形状が出来上がったところで、これを具体的な形に仕上げていかなければなりません。まあ設計図などあれば、よろしいのでしょうが、ここは写真をベースに“お手軽に”作り込んでいきます。ちなみに123Dでは、写真を取り込んで平面に貼り付けることが可能です。
貼り付ける写真は、もちろん回転させたり、拡大したり、平行移動したりできるので、それで調整します。ただし、“縦横比を保持したままの”拡大縮小はできないので、今回のように基準となる枠のスケッチを先にしておくのは必須なようです。
というわけで、以下のような感じになりました。
まずは、このあたりでファイルをいったんセーブしてから、次に進みましょう。この後は、より詳細な作り込みのためのスケッチをしていきます。
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