IoTで製造の自動化を“安全”に――「Intel Security」日本で始動:FAニュース
インテル傘下のマカフィーおよびインテルは既に米国で使用しているセキュリティ関連のマスターブランド「Intel Security」を日本でも展開していくことを発表した。その皮切りとして都内で開催されているクラウドコンピューティングEXPOおよび、組み込みシステム開発技術展で新ブランドロゴを開示。両社のシナジーを発揮しやすい製造現場向けIoT分野などで新たな製品群やソリューションを展開していく。
インテル傘下のマカフィーおよびインテルは2014年5月14日、既に米国で使用しているセキュリティ関連のマスターブランド「Intel Security」を日本でも展開していくことを発表した。その皮切りとして「クラウド コンピューティング EXPO」(東京ビッグサイト、同年5月14〜16日)」および「組み込みシステム開発技術展」(同)で新ブランドロゴを開示。両社のシナジーを発揮しやすい製造現場向けIoT(Internet of Things)分野などで新たな製品群やソリューションを展開していく。
米国Intelは、マカフィーを含むセキュリティ関連の製品、サービス、ソリューションなどを統括するビジネスグループとして「Intel Security」を発足。2014年1月に米国ラスベガスで開催された家電見本市「CES」で発表し、既に米国内ではセキュリティ関連のマスターブランドとして「Intel Security」を採用している。
日本では米国で発表後もインテルやマカフィーなども含めて、それぞれ個別のブランドで展開する状況が続いていたがクラウド コンピューティング EXPOおよびESEC2014への出展を契機とし「Intel Security」ブランドの展開を開始するという。
IoT活用の期待が高い製造現場
マカフィー 執行役員 マーケティング本部 本部長の斉藤治氏は「モバイルやクラウドなどあらゆる局面でインターネットデバイスが普及し利用が増える中で、セキュリティはあらゆる事業において重要な要素となってきている。マカフィーのソフトウェア、インテルのハードウェアを組み合わせ、より統合されたセキュリティを実現できる。またこれらを組み合わせた新たなソリューションを生み出せる」と話している。
インテルとマカフィーは従来も、製品面での連携を進めてきているが、両社によるシナジー効果が最も期待される分野がIoT分野だ。最近もマカフィーの「McAfee Embedded Control」とインテルの「IoTゲートウェイ」を組み合わせ、IoTにおけるセキュリティを標準装備した製品などを発表しており、今後さらに連携製品を増やしていく予定だ(関連記事:IoTはバズワードからビジネストレンドへ――インテルが米国最新事例を報告)。
例えば、製造現場では、さらなる自動化に向けてネットワークの活用が進んでいる。IoTを活用すれば、製造装置の稼働状況や製造ラインの稼働状況などを随時把握することができ、さらに機器同士が相互連携を取ることで、抜本的な効率化や機能向上が実現できる可能性を秘めている。しかし、製造現場のあらゆる機能を統合される中でセキュリティが脅かされた場合、その被害は甚大なものになる。そのため、IoTの活用を広げていくためには、セキュリティ技術を組み込んでいくことは欠かせない。
インテル ソフトウェア&サービス事業開発本部 本部長の岡崎覚氏は「インテルのビジョンとして『地球上のすべての人を“安全に”結び、豊かな生活へと導くコンピューティング技術をこの10年で創造し、さらに進化させる』というものがある。セキュリティはインテルの事業の全てに関わる重要な要素だ」と語る。
今後に向けては「いろいろな開発連携を進めていくが、セキュリティを確保しながら多彩なIoTの接続を実現する技術『Moon Island Platform Technology』の開発が当面の大きなものとなるだろう。マカフィーやウィンドリバーの技術を採用し、相乗効果を発揮できる」と岡崎氏は話している。
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