デジタル、生産現場のビッグデータ活用を目指すインタフェース端末を発売:FAニュース
従来のプログラマブル表示器(HMI)を超える、新たなインタフェースのコンセプトとして「Smart Portal(スマートポータル)」を提唱。生産実績や装置データなどの生産現場の情報と、生産管理データなどのオフィス側で必要とされる情報をスマート化し、生産効率を改善する。
デジタルは2014年4月25日、生産現場やオフィスからのビッグデータを活用する新しいインタフェース端末「SP5000シリーズ」の受注を開始した。デジタルが先駆けとなったプログラマブル表示器(HMI)を超える、新たなインタフェース端末のコンセプト「Smart Portal(スマートポータル)」を提唱し、新市場創出を目指すとしている。
現在、生産現場で扱われるデータ量は増え続けており、それらのビッグデータを活用して生産効率を改善したり、生産現場とオフィスをネットワーク化したりするニーズが生まれているという。従来、そうしたニーズを満たすためには大規模システムの導入や設備の刷新が必要だった。
デジタルが提唱する「Smart Portal(スマートポータル)」とは、生産実績や装置データなどの生産現場の情報と、生産管理データなどのオフィス側で必要とされる情報を低コストでスマート化して管理しようという考え。SP5000シリーズでは、ディスプレイやボックスだけの交換が可能なモジュール構造と、ネジ不要の本体格納式の金具を採用。設置やメンテナンスが簡単にできるほか、各種海外安全規格や耐環境IP65F、IP66F、IP67Fにも対応しており、多様なシーンに利用できる。
また、Windows用のアプリケーションに対応しているため、マニュアル確認やデータ分析などの際にオフィスで使っているPDFやExcelなどのファイルをそのまま見ることが可能(オープンボックス使用時)。さらに、2つのイーサネットポートを標準搭載。オフィスと工場のネットワークを2つのIPで分けることによって、安全で管理しやすいネットワーク接続を構築できるようになった。
さらにデジタルのリモートアプリケーションソフトウェア「Pro-face Remote HMI」と組み合わせることで、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末から遠隔での確認・操作も可能だ。
価格は23万1000円(税別)から。デジタルでは、今後5年で現在のプログラマブル表示器と同規模の市場となることを見込んでいるという。
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