パナソニックの住宅設備事業部、販売システムとPDMを連携し開発プロセス効率化:製造IT導入事例
2011年春からシーメンスPLMソフトウェアのシーメンスPLMソフトウェア「Teamcenter」を導入。開発部門に点在する設計関連情報を集約・一元化し、販売システムと連携させることで、開発プロセスの自動化と効率化を進めてきた。
シーメンスPLMソフトウェアは2014年5月8日、同社の製品データ管理(PDM)システム「Teamcenter」をパナソニック エコソリューションズ社のハウジングシステム事業部が導入し、製品開発に役立てている取り組みを明らかにした。
ハウジングシステム事業部は、システムキッチンやユニットバスなどの住宅用設備機器や建材を開発・製造・販売している。住宅を建てる際には、施工者が顧客の要望に合わせて住宅建材の仕様を決定。販売システムとしてセールスコンフィギュレータを使用し、個別注文の要件を整理している施工者も多いという。
しかし従来は、そうしたセールスコンフィギュレータなどの販売システムと製品開発側のシステムが連携されていなかった。従って、複数の場所に散在する図面、部品表、仕様書、コストなどの製品情報を、仕様変更や設計変更のたびに人海戦術で別の関連システムに入力していた。手間や時間がかかり、エラー発生の原因にもなっていたという。
そこで同事業部では2011年春からTeamcenterを導入。開発部門に点在する設計関連情報を集約・一元化したシステムを構築した。さらにセールスコンフィギュレータなどの販売システムと連携させることで、開発プロセスの自動化と効率化を進めてきた。
また、3次元CADデータもTeamcenterで一元管理。シーメンスPLMソフトウェアの「NX」はもとより、他社のCAD環境で作成された製品データもTeamcenterで管理できるようにした。
こうした取り組みの結果、設計者の業務効率が大幅に改善され、情報の共有化・再利用が進んだことで開発プロセスやチーム全体の効率化にもつながったとしている。
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