パナソニックがテスラの巨大電池工場建設に参加、趣意書への署名を認める:電気自動車
パナソニックは、米国の電気自動車(EV)メーカー・Tesla Motors(テスラ)が計画している大規模リチウムイオン電池工場「Gigafactory(ギガファクトリー)」の建設に参加するための趣意書に署名したことを明らかにした。
パナソニックは、米国の電気自動車(EV)メーカー・Tesla Motors(テスラ)が計画している大規模リチウムイオン電池工場「Gigafactory(ギガファクトリー)」(関連記事:テスラのリチウムイオン電池工場、単独で2013年の世界生産を超える規模に)の建設に参加するための趣意書に署名したことを明らかにした。
テスラCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は、2014年5月7日(米国時間)に行った会見で、パナソニックがギガファクトリーの建設に参加することが決まったと述べている。この件をパナソニックの広報部に確認したところ、「ギガファクトリーの建設計画の趣意書に署名したことは事実。ただし、計画の詳細はまだ何も決まっていない」と回答した。
ギガファクトリーは、テスラが販売するEV「モデルS」などに搭載されている、18650サイズ(直径18×長さ65mm)のリチウムイオン電池セルと、その電池セルを使った電池パックを大規模に量産することで大幅なコスト削減を目指している。2017年に稼働を開始し、2020年にはフル生産に入る計画。年間生産規模は、電池セルで35GWh相当、電池パックで50GWh相当に達する。
電池セルの35GWhという年間生産規模は、2013年における世界全体のリチウムイオン電池セルの生産規模を上回る。総投資額も40億〜50億米ドルになる見込みだ。このうちテスラが直接投資するのは20億米ドル程度で、残りはパートナー企業が負担するとしていた。このパートナー企業の代表とされていたのが、モデルSの電池サプライヤであり、テスラへの出資も行っているパナソニックだ。
しかしこれまでパナソニックは、ギガファクトリーの建設計画への参加を明言していなかった。2014年3月27日の事業方針発表(関連記事:パナソニックが注力する「8/5×3」とは?)でも、「テスラとは常に情報交換しており、ギガファクトリーにかける思いも共有している。しかし、現時点ではギガファクトリーへの投資については何も話せない」(パナソニック社長の津賀一宏氏)としていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- テスラのリチウムイオン電池工場、単独で2013年の世界生産を超える規模に
電気自動車(EV)ベンチャーのTesla Motors(以下、テスラ)は、米国南西部に「Gigafactory(ギガファクトリー)」と呼ぶ大規模なリチウムイオン電池工場を建設する方針を明らかにした。フル稼働に入る2020年の年間生産規模は、2013年における世界全体のリチウムイオン電池セルの生産規模を上回る35GWhを計画している。 - テスラは「モデルS」をどのように開発したのか、EV開発の核心に迫る
米国市場で好調に販売台数を伸ばし続けている、Tesla Motors(テスラ)のプレミアムEVセダン「モデルS」。元三菱自動車で、EV「i-MiEV」の開発を担当した和田憲一郎氏が、テスラのディレクターを務めるカート・ケルティ氏に緊急インタビューを敢行。モデルSに代表されるテスラのEV開発の核心に迫った。 - テスラが「モデルS」の車台を公開、「容量当たりの電池コストを大幅に低減」
Tesla Motors(テスラ)は、東京都内の同社ショールームで、セダンタイプのEV「Model S(モデルS)」の車台を公開。中核部品である電池パックの開発を担当するカート・ケルティ氏が来日し、モデルSを構成する独自技術について解説した。