NTNのその場回転や横移動が可能なEV、公道走行に向け登録申請中:人とくるま展2014 開催直前情報
NTNは、「人とくるまのテクノロジー展2014」に出展するインホイールモーター搭載の電気自動車(EV)「Q’MO II」の公道走行に向けた登録申請を進めているという。
NTNは2014年4月28日、「人とくるまのテクノロジー展2014」(2014年5月21〜23日、パシフィコ横浜)の出展概要を発表した。車両の電動化や低フリクション化、高効率化といった低燃費化に貢献する技術に加え、次世代自動車の1つである電気自動車(EV)や高度運転支援技術などを提案する。
主な展示品として挙げているのが、次世代ステアリング用メカニカルクラッチユニット(MCU)、電動油圧ブレーキ用ボールねじ駆動モジュール、パーキング機能付きブレーキシステム、プレスコネクトスプラインハブジョイント、超低フリクションハブベアリング、インホイールモーターシステムと同システムを搭載するEV「Q’MO(キューモ) II」の7つ。
次世代ステアリング用メカニカルクラッチユニットは、日産自動車が2013年12月に発売した新型「スカイライン」のステアバイワイヤシステムに採用された製品である(関連記事:NTNがステアリング用MCUを開発、新型「スカイライン」のステアバイワイヤに採用)。電磁クラッチの高応答性と、ローラクラッチの高負荷容量設計により、ステアバイワイヤシステムに万が一の不具合が発生した時に、ステアリングの機械的締結を行える。
電動油圧ブレーキ用ボールねじ駆動モジュールは、回生ブレーキに用いる製品。モーターの回転運動を精度良く直線運動に変換してきめ細かなブレーキ力の調整を行い、より多くの走行エネルギーの回生が可能になるという。
モーターと独自の直動機構でブレーキパッドを動かすパーキング機能付きブレーキシステムは回生ブレーキとの協調制御により、EVやハイブリッド車の電力消費量(電費)の低減につなげられる。また、パーキングブレーキ機能も備えており、利便性も向上できる。
プレスコネクトスプラインハブジョイントは、独自のプレスコネクト方式の適用により、スプライン嵌合部のすきまをなくして大幅な軽量化を実現している。等速ジョイントと3世代ハブベアリングをボルトで締結することにより、従来の車両生産ラインでも利用できる。
超低フリクションハブベアリングは、新開発の低フリクショングリースを使用することで、回転時のグリース攪拌(かくはん)抵抗を大幅に低減した。シールリップ(ゴム製シールの先端部分)の摺動(しゅうどう)面に微小な凹凸処理を形成し、リップ面専用に開発した低粘度グリースを塗布することにより、シール接触部の摩擦抵抗も低減。軸受の回転フリクションを従来品比で33%低減し、約0.28%の燃費改善につなげられる。
インホイールモーターシステムは、直接ホイール内に取り付ける世界最軽量級のインホイールモーター内に、減速機やハブベアリング、各種センサーを搭載している。このインホイールモーターシステムをはじめ、NTNの電動化技術を詰め込んだ2人乗りEVのQ’MO IIは“その場回転”や“横方向移動”が可能。現在、公道走行に向けた登録申請を進めているという。
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