アイドルストップシステム対応鉛バッテリーの容量と耐久性を向上、日立化成:エコカー技術
日立化成は、アイドルストップシステム搭載車向け鉛バッテリーの容量や耐久性をさらに高める技術を開発した。従来比で5%高容量化した製品を2014年秋に、耐久性を同3倍にした製品を2015年春に、それぞれ自動車メーカー向けに販売する計画。
日立化成は2014年4月23日、アイドルストップシステム搭載車向け鉛バッテリーの容量や耐久性を高める技術を開発したと発表した。従来比で5%高容量化した製品を2014年秋に、耐久性を同3倍にした製品を2015年春に、それぞれ自動車メーカー向けに販売する計画である。
アイドルストップシステムは、燃費向上や二酸化炭素排出量の削減に役立つこともあり、日本をはじめとしたグローバル市場で急激に需要が拡大している。その一方で、鉛バッテリーにとっては、エンジンを停止している間に電装品を動かしておくのに電力を供給したり、減速エネルギ―の回生の際に充電したりと、アイドルストップシステムを搭載しない車両と比べて充放電の回数が飛躍的に増える。このため、従来よりも入出力密度や耐久性を高めたアイドルストップシステム搭載車向け鉛バッテリーを各社が開発、市場投入している。しかし、市場の拡大に合わせてさらなる性能向上も求められていた。
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今回日立化成が開発した技術は2つある。1つは高容量化技術で、電極に使用される電池活物質を多孔質にすることで電解液との接触面積を増やし、従来比で5%の容量増加を実現できる。これにより、エンジンの始動性を高められ、より多くの電装品を搭載するようになっている車両の電気負荷の増加に対応できるとする。
もう1つは高耐久性技術である。特殊な不織布を既存のセパレータと併用することにより、電極の上下で電解液の濃度が異なるために起こる電極の劣化現象(成層化)を抑制。。鉛バッテリーの耐久性を従来比で200%増やせるという。なお、高耐久性技術を適用した製品は、日立化成が2013年4月に傘下に収めた新神戸電機の埼玉事業所(埼玉県深谷市)で量産を行う予定だ。
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