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スズキのガソリンエンジン開発目標は平均熱効率で40%、2020年初頭に達成へエコカー技術(2/2 ページ)

軽自動車や小型車でクラストップの燃費を総なめにしているスズキ。現状に満足することなく、さらなる燃費向上を図る同社は、次世代軽量プラットフォームの導入やガソリンエンジンの平均熱効率40%の達成、「エネチャージ」の進化版「エネチャージII」と言えるハイブリッドシステムの開発に取り組んでいる。

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インド市場を変革する新開発トランスミッション「AGS」

 トランスミッションでは、インドを中心とする新興国市場向けに開発した自動マニュアル変速機(AMT)「Auto Gear Shift(AGS:オートギヤシフト)」が好評を博している。インド市場は、AMTやAT、DCTといった自動変速機を搭載する車両が全体の1%程度にすぎず、ほとんどがマニュアル変速機(MT)を用いた車両で占められている。

 この状況を打破すべくスズキが投入したのがAGSだ。5段変速のMTをベースに、変速を自動で行う電動油圧式アクチュエータユニットとコントローラを一体化し、ワイヤーハーネスの削減と軽量化を実現。「マニュアル変速機と自動変速機の利点を両立した」(スズキ)とする。

「AGS」の構造
「AGS」の構造(クリックで拡大) 出典:スズキ

 AGSは、電動油圧式アクチュエータユニットによる自動変速の制御を工夫し、AMT特有のシフトショックを低減したことや、クリープ機能の採用により高い評価を得ている。AGSを採用し2014年2月からインド市場で販売している新型車「セレリオ」は、同年3月末までに受注した約3万5000台のうち、47%がAGS搭載仕様だった。これは、先述した1%をはるかに上回る数字だ。

「AGS」の特徴(クリックで拡大) 出典:スズキ

ハイブリッドシステムというよりも「エネチャージII」

 スズキは、2003年に発売した軽自動車「ツイン」で初めてハイブリッドシステムを採用した。しかしツインの不振もあって、2005年のツインの販売終了の後、ハイブリッド車は投入していない。

 今回発表したハイブリッドシステムは、10年近い沈黙を破り、スズキがハイブリッド車市場に参入すると考える向きもあるだろう。しかし実際には、同社の車両に広く採用されるようになった減速エネルギー回生システム「エネチャージ」の進化版と言った方が正しい。名付けるなら「エネチャージII」といったところだ。

スズキが開発中のハイブリッドシステム(左)と動作のイメージ(クリックで拡大) 出典:スズキ

 このエネチャージIIの中核となるのが、エネチャージのために高出力化したオルタネータの出力と効率をさらに高めるとともに、加速時の走行アシストも行える「ISG(Integrated Starter Generator)」である。エネチャージIIはISGによって、エネチャージと比べて30%以上回生量を増やせるという。

「ISG」を使う「エネチャージII」は、「エネチャージ」と比べて0%以上回生量を増やせる
「ISG」を使う「エネチャージII」は、「エネチャージ」と比べて0%以上回生量を増やせる(クリックで拡大) 出典:スズキ

 エンジンのオルタネータに走行アシストもさせるという意味では、日産自動車がミニバン「セレナ」に採用したマイクロハイブリッドシステム「S-HYBRID」と同じ考え方だ。S-HYBRIDのモーター出力は1.8kWだが、エネチャージIIではどうなるだろうか。蓄電デバイスとして鉛バッテリーだけを用いるS-HYBRIDと比べて、リチウムイオン電池と鉛バッテリーを併用するエネチャージがベースのエネチャージIIは、1.8kWよりも高い出力のモーターを用いることも可能だろう。

 エネチャージは軽自動車の「ワゴンR」から採用が始まり、スイフトやソリオといった小型車にも広がっていった。現在の開発状況では、コスト面の課題が残っているものの、小型車だけでなく軽自動車にもエネチャージIIを展開したい考えだ。

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