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墨田区から日本のモノづくりを活性! 新モノづくり拠点「GarageSumida」と「MEW」新しいモノづくりの形とは(1/2 ページ)

墨田区の助成金プロジェクトで採択された新モノづくり拠点「Garage Sumida(ガレージスミダ)」と「MEW(ミュー)」の2拠点が公開された。これら拠点では、さまざまな人たちを巻き込んだ新しいモノづくりの形を模索する。

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 墨田区役所 産業観光部産業経済課は2014年4月15日、「平成25(2013)年度墨田区新ものづくり創出拠点整備補助金」を受けて整備された2拠点「Garage Sumida(ガレージスミダ)」と「MEW(ミュー)」の報道機関向け内覧会を開催した。2拠点はいずれも墨田区内のモノづくり企業が運営する。

 墨田区では、区内の空き工場などを改修し新しいモノづくり創出拠点に整備する費用として、プロジェクト1件当たり最大2000万円の助成をしている。補助対象者は、中小企業者(個人を除く)、一般社団法人および一般財団法人、特定非営利活動法人。平成26年(2014)度には2件、平成27年(2015)度には6件(予定)採択して実施する計画だ。

 下記3つの機能を持つ拠点を区内各所に配置することで、1つ1つの小さい拠点が有機的にネットワークを築き、複合的に墨田区の新たなモノづくりの形をそこで作り出していくことを目指すという。

  1. モノづくりによるコミュニティーの醸成
  2. モノづくりによる人材育成
  3. モノづくりによる異分野マッチング、イノベーション促進

 「墨田区は江戸から続くモノづくりの一大集積地。しかし近年の産業構造の変化、海外との価格競争、技術者や職人の後継者不足といった問題があり、区内の工場数は、最盛期だった昭和40年代には約9700件あったところ、直近の数字では約3000強と激減した。廃業後の空き工場はさら地になり、一時的に駐車場になり、最後にマンションになっていくことが多いが、二度と工場に戻ることはない。モノづくりの街としてのアイデンティティーが失われつつある危機感を覚えた。これまでの産業振興プランは工業・商業・観光とそれぞれ縦割りの体制だったが、それらを融合し、新しいモノづくりの街を作ることを目指したのが今回のプランであり、新しいモノづくりの形を模索する“試金石”だと考えている」(墨田区役所 産業観光部 産業経済課長 郡司剛英氏)。


墨田区役所 産業観光部 産業経済課長 郡司剛英氏

 墨田区内の産業は、製造業が占める割合が多く、北部で金型やプレス、メッキといった機械金属関連、南部でいわゆる「糸偏産業」といわれるファッション関連が盛んだという。プロジェクト採択では、そのような地域特性や産業構造、周囲の波及効果を十分考慮した配置を考えているとのことだ。

町工場がデジタルモノづくりを支援「Garage Sumida」

 板金加工メーカー 浜野製作所が公開した新モノづくり拠点であるGarage Sumidaは、同社の隣にあった倉庫を改修して作られた。オープンは2014年4月16日。さまざまな人材や情報をGarage Sumidaに集結させることで、新しい製品やサービス、事業の創出を目指す。


Garage Sumida

 同拠点は、業種や分野も、個人か企業かも問わず利用することが可能だ。子ども向けワークショップの開催や、大学や研究機関などの技術相談受け付けもしていくという。

 同拠点には、3Dプリンタ「B9 creator」と「Replicator 2X」、ハンディ3Dスキャナ「SENSE-3D」、レーザーカッター「Speedy 300」、CNC加工機「MDX-540」など最新のデジタル機材を備える。これらの設備で対応できない高度な金属加工は、浜野製作所の設備を利用することも可能だ。また浜野製作所の若手を中心とした技術者が待機し、利用者の製品開発に関する質問応対やレクチャーにあたる。

Garage Sumidaに備える「Replicator 2X」(左)と「B9 creator」(右)

 「われわれだけでできることは少ないので、区内の町工場の方や、他地域の方にも声を掛けながら、いろいろな方々のモノづくりの手伝いをして、日本の中小企業を元気にしていきたい。われわれが持つ、プレス、金型、溶接といった基盤技術は、一度なくなると、なかなか復活するものではない。さまざまな地域で町工場がどんどん姿を消してしまっており、それが日本のモノづくり衰退につながってしまうと思う。先代から引き継いできた技術や心を守り、次世代にそれを伝承するという大きな使命があると思っている」(浜野製作所 代表取締役 浜野慶一氏)。


浜野製作所 代表取締役 浜野慶一氏

 浜野製作所はこれまで、産学官連携として電気自動車「HOKUSAI」、深海探査艇「江戸っ子一号」、異業種連携として「アウトオブキッザニア in すみだ」による工作教室、工場巡りツアー「スミファ」を主催する「配財プロジェクト」など、多数の共同プロジェクト事業の実績がある。日本テレビの企画「リアルロボットバトル日本一決定戦!」にも参戦している。そういった活動で培ってきた経験や知恵も同拠点の運営に生かしていく(関連記事:「バリ取って、リベット締めて、金型で曲げて――板金スカイツリー作ろ!」)。

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