新型「コペン」は「走る楽しさ」と「持つ喜び」を追求、価格も200万円以下に:車両デザイン(1/3 ページ)
ダイハツ工業は、2014年6月に発売予定の新型軽オープンスポーツカー「COPEN(コペン)」の新技術として、「走る楽しさ」を支える高剛性のボディ骨格「D-Frame」と、「持つ喜び」を実現する樹脂外板の着せ替えが可能な「DRESSFORMATION」などを発表。価格も税込みで200万円以下を目指しているという。
ダイハツ工業は2014年3月31日、東京都内で会見を開き、同年6月に発売予定の新型軽オープンスポーツカー「COPEN(コペン)」に採用する新技術の詳細を発表した。
新型コペンは、ライトウェイトスポーツカーにふさわしい走行性能を実現する新骨格構造「D-Frame(ディーフレーム)」と、樹脂外板をスマートフォンのカバーケースのように着せ替えられる内外装着脱構造「DRESSFORMATION(ドレスフォーメーション)」、専用チューニングを施したサスペンションやエンジン、トランスミッション、マフラーなどから構成されている。樹脂外板の採用などによる軽量化の効果も含めて、社内測定値でJC08モード燃費は25.2km/l(リットル)を達成している(7段変速スーパーアクティブシフト付き無段変速機搭載車の場合)。
「新型コペンの技術は海外展開も可能」
ダイハツ工業 技術本部 執行役員の上田亨氏は、「新型コペンは、クルマ本来の『走る楽しさ』や『持つ喜び』を追求して開発を進めてきた。価格についても、消費増税後でも税込み200万円以下でお届けしたい。また、新型コペンの技術は、インドネシア市場に投入した『アイラ』のように、将来的には海外展開も可能だろう」と語る。
今回の技術詳細の発表に合わせて、2014年6月の市場投入時の名称も決まった。新型コペンは2車種を用意する予定であり、それぞれ「COPEN+車種名」になるという。なお、2013年11月の「東京モーターショー2013」や、2014年1月の「東京オートサロン2014」などで公開していた軽オープンスポーツのコンセプトカーの名称は「KOPEN」だった。
「今まで通りのモデルチェンジではNG」
2002年発売の初代コペンは、2012年までの累計で約5万8000台を販売した。一般的なオープンカーの女性ユーザー比率が10%未満であるのに対して、初代コペンは24%以上に達するなど、ユーザー層が幅広かったという。
ダイハツ工業製品企画部で新型コペンのチーフエンジニアを務める藤下修氏は、「一定の評価を得られた初代コペンだが、新型コペンを今まで通りのモデルチェンジで投入しても、スポーツカー市場が底を打ち、若年層のクルマ購入意欲が減少している現状では、話題や注目を集められないと感じていた」と述べる。
そういった危機感を背景に、新型コペンで採用されたのが、ボディ骨格のD-Frameと内外装着脱構造のDRESSFORMATIONである。
D-Frameは、現在のほとんどの乗用車に採用されているモノコック構造と、かつてスポーツカーやトラックに採用されていたフレーム構造をベースに考案した「新しい概念の骨格構造」(藤下氏)である。新型コペンは、オープンカーであるため、モノコック構造は採用できない。かといって、一からフレーム構造のボディを開発しても、十分な強度が得られるとは懐疑らない。そこで、軽自動車「ミラ イース」のボディ骨格をベースに、ルーフ部がつながっていない状態でも高い剛性が得られるような補強を各所に導入した。
D-Frameを用いた新型コペンのボディ剛性は、初代コペンと比べて、上下曲げ剛性が3倍、ねじり剛性が1.5倍を達成。スポーツカーとしての操縦安定性や乗り心地の実現に貢献している。
一方、DRESSFORMATIONは、樹脂外板の着せ替えにより、購入後でも新たな意匠を選択できるという、新型コペンの最大の特徴を実現する技術だ。新型コペンは、ドアを除くほぼ全ての外板が樹脂製になっている。13個の樹脂外板のうち、電動開閉式ルーフに関連するルーフとバックパネルを除く11個(フロントフード、ラゲージ、フロント/リヤバンパー、フロント/リヤフェンダー、ロッカー、フューエルリッド)の着せ替えが可能。ボディ骨格と樹脂外板はボルト締め付け構造によって固定される。
樹脂外板だけでなく、運転席や助手席の加飾パネルやオーディオクラスターなどの変更も可能になっている。つまり、内外装とも着せ替え可能というわけだ。
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