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BMWが将来技術を一挙公開、「Innovation Days 2014」に迫るBMW Innovation Days 2014リポート(2/3 ページ)

BMWが将来技術を一挙に公開する「Innovation Days 2014」が開催された。今回は、「iシリーズ」に代表される電動化技術を「X5」に適用したPHEVコンセプトモデル「X5 eドライブ」をはじめ、ダウンサイジングと部品共用化を進めた新エンジンシリーズ、LEDヘッドランプよりも明るい「レーザーライト」、高速道路での追い越しを楽に行える自動運転技術などが披露された。

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新エンジンシリーズは部品の共用を拡大

 前回のInnovation Daysでお披露目された新エンジンシリーズの開発にも進捗があった。話題の中心だった排気量1.5lの3気筒エンジンに加えて、ベースの設計思想を共有する4気筒エンジン、6気筒エンジンが開発されており、全てに共通の「コモン・アーキテクチャ」を採用する。1気筒当たり500ccを基本とし、それに気筒数を掛けた排気量のエンジンをラインアップする。その結果、排気量の異なるエンジン(ガソリン、ディーゼルとも)の間で60%もの部品を共有できる。

新エンジンシリーズは横置きと縦置きの両方に対応できる
新エンジンシリーズは横置きと縦置きの両方に対応できる(クリックで拡大) 出典:BMW

 また、同じ排気量のガソリンエンジンとディーゼルエンジンでも設計を共有できる部分があり、40%ものパーツを共用できる。さらに、全ての3気筒エンジンと4気筒エンジンは、横置きにも縦置きにも対応可能。つまり、「MINI」ブランドにもBMWブランドに使えるということだ。

 新エンジンシリーズでは、サーマルマネジメントへの配慮がなされている点も特筆すべきだろう。熱のマネジメントを1カ所に集中させ、熱交換器を付けるなどして、ボディから熱エネルギーが逃げるのを防ぎ、集めて再利用する。一例としては、エンジンを冷やさない工夫がある。写真で見ると分かりやすいが、エンジンを断熱材で丸ごとくるんで熱を保つ仕組みだ。エンジンが温まった状態を保ち、再始動すると、1.5%もの燃費向上につながるという。高温のエンジンを直接くるむには、素材選びやカバーの手法にノウハウが求められる。しかしBMWは、あえてエンジンを直接くるむ手法を選び、断熱材の使用量を最小限に抑えた。

高級車には「レーザーライト」が必須装備になる?

 もう1つ、2014年発売予定のPHEV「i8」でオプション設定される、レーザー光源を用いたヘッドランプ「レーザーライト」も新しい。高級車では主流になりつつあるLEDヘッドランプを標準装備することに加えて、デイタイムランニングライト上側のU字型の部分にこのレーザーライトを組み込むのである。

「i8」に搭載される「レーザーライト」の構造
「i8」に搭載される「レーザーライト」の構造(クリックで拡大) 出典:BMW
「レーザーライト」モジュールの外観(クリックで拡大) 出典:BMW

 蛍光リン系の素材を使ったレーザー光源により、白味が強調された光を出力できる。レーザー光は真っすぐに進む特性があり、照射方向もしっかり調整できる。また、LEDヘッドランプの輝度が120ルクスであるのに対し、レーザーライトは340ルクスに達する。光の量を表す光束は、LEDヘッドランプが100ルーメン/Wであるのに対し、レーザーライトは170ルーメン/W。光束が高いということは、人間の目で見て明るく感じるということだ。

 その結果、照らし出すことができる距離は600mに達し、LEDヘッドランプより遠方を確認できるようになる。また、白色が強調されたレーザーライトの色あいは、見た目の未来感の演出にもつながる。

「レーザーライト」とLEDヘッドランプの比較
「レーザーライト」とLEDヘッドランプの比較。「i8」は、レーザーライトとLEDヘッドランプのハイビームを組み合わせることで600mもの遠方を確認できるようになる(クリックで拡大) 出典:BMW

 BMWの競合であるAudi(アウディ)も、2014年1月の「2014 International CES」でレーザー光源を使ったヘッドランプを発表している(関連記事:ル・マンの夜闇をレーザーが切り裂く、アウディがWEC参戦車両に採用)。こちらは同年6月の「ル・マン24時間耐久レース」でデビューし、その後市販車に搭載される予定。レーザー光源を使ったヘッドランプは今後、高級車に欠かせない装備になっていきそうだ。

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