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これはまさに夢の企画――巨大ロボが殴り合う「リアルロボットバトル」に密着してきた『ロボット日本一決定戦!リアルロボットバトル』の舞台裏(2/4 ページ)

日本テレビ系列で2013年12月13日に放送された『ロボット日本一決定戦!リアルロボットバトル』の収録現場に密着。勝つか負けるかの真剣勝負に挑む、個性あふれる等身大リアルロボットたちの熱き戦いを“舞台裏”からリポートする。

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1回戦第1試合

 1回戦の第1試合は、「HJM-47」(はじめ研究所チーム)と「柊」(THKロボットサークルチーム)の対戦。はじめ研究所チームを率いる坂本元氏と、THKロボットサークルチームを率いる永塚正樹氏は、ともに2足歩行ロボットのバトル大会「ROBO-ONE」の経験者である。そのせいか、この試合はまるでROBO-ONEを見ているかのような、スピード感のある激しいバトルとなった。

 ガンダムカラーの「HJM-47」は、高速移動と強力なパンチが持ち味。電動バイクで使われるハブモーターの車輪を両足に内蔵しており、最高時速はなんと40km程度だという。両輪を逆回転させることで、その場での高速旋回も可能だが、その半面、メカナムホイールやオムニホイールのような横方向への移動はできない。

はじめ研究所チームの「HJM-47」
はじめ研究所チームの「HJM-47」

 はじめ研究所チームは、現在進行中の「4mロボットプロジェクト」で、大型ロボットの製作経験があるのが強みだろう(関連記事:「いつかガンダムを作るんだ!」――西淀川の町工場でオヤジたちの思いが1つに)。「HJM-47」にも強力なサーボモーターが搭載されており、鉄製ナックルを使った腰の入ったパンチは破壊力が大きい。

 対するTHKロボットサークルチームの「柊」は武者風のロボット。サーボモーターはあまり強力ではないものの、上半身への攻撃を受け流す免震機構を腰に内蔵していたり、乱打攻撃をしかける4本の触手型アームを背面に搭載していたり、発想が非常にユニークだ。首の部分にはマイクロソフトのモーションセンサーデバイス「Kinect」が内蔵されており、画像認識によるコアの自動追尾攻撃も実装する予定だったが、この機能は開発が間に合わなかったそうだ。

THKロボットサークルチームの「柊」
THKロボットサークルチームの「柊」
「柊」の内部構造
「柊」の内部構造。腰の部分にTHKの免震機構が搭載されている

 試合は、常に「HJM-47」が先行する展開。終盤、「柊」が接近戦に持ち込み、乱戦となったが、「HJM-47」が辛くも1ポイント差(7−6)で逃げ切った。

1回戦第2試合

 1回戦の第2試合は、「狐火」(東京工業大学・ロボット技術研究会チーム)と「マルミエーターUNCHI48(センター)」(『世界まる見え!テレビ特捜部』チーム)という、毛色の全く違うロボットが激突した。

 「狐火」は今回唯一の4足ロボット。2足でなく4足にしたのは、安定性が高く、高速移動に向いているからだという。ロボットの操縦はマスタースレーブ方式。Kinectによるモーションキャプチャーで操縦者の動きを検出して、ロボットを動かしている。さらに、ロボット自体にもカメラを搭載しており、画像認識により、コアを自動追尾して攻撃することが可能だ。非常に理にかなった実戦的なロボットである。

東京工業大学・ロボット技術研究会チームの「狐火」
東京工業大学・ロボット技術研究会チームの「狐火」

 一方、「マルミエーターUNCHI48(センター)」は、人気番組『世界まる見え!テレビ特捜部』からのアイデアを実現したロボット。「鋼鉄製のピコピコハンマー」「おっぱいミサイル」「うんこカー」などのムチャなネタを、ピルクス、浜野製作所などといった各分野のプロフェッショナルが協力してロボットに実装した。

 この巨大ロボットのために、ピルクスはトルクが2tもあるサーボモーターを自作。また制御には、あの「V-Sido」の吉崎航氏が協力。吉崎氏は水道橋重工の巨大ロボット「クラタス」にも関わっており、巨大ロボットの制御については既に実績がある(関連記事:搭乗型巨大ロボット「KURATAS」を安全に動かすソフトウェアのヒミツ)。見た目と違い、中身は相当本気のロボットだ。

「マルミエーターUNCHI48(センター)」
人気番組『世界まる見え!テレビ特捜部』チームの「マルミエーターUNCHI48(センター)」

 試合は、「狐火」が高速な移動と正確な攻撃で圧倒。「マルミエーターUNCHI48(センター)」は開始直後から防戦一方であったが、背中を向けてしまったところを攻撃され、ロボットを制御するノートPCが落下。動けなくなってしまい、TKO負けとなった。

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