部分レンダリングに寸法配置の切り替え、「SolidWorks 2015」の新機能:米ソリッドワークスのプライベートイベントより(1/2 ページ)
米ソリッドワークスのプライベートイベント最終日に、3次元CADの新製品「SolidWorks 2015」の機能の一部が発表された。任意の部分のみをレンダリングする機能や、寸法の配置を自由に切り替える機能などを取り上げて紹介する。SolidWorks 2015を紹介してくれた正義のヒーロー「CADマン」の大活躍も、お見逃しなく。
米ダッソー・システムズ・ソリッドワークス(以下、ソリッドワークス)は、米国カリフォルニア州サンディエゴでプライベートイベント「SolidWorks World 2014」を開催した(2014年1月26〜29日)。最終日の基調講演では、「SolidWorks 2015」の機能の一部が明らかになった。
SolidWorks 2015で重要になるのが、仏ダッソー・システムズが提供する3次元データ基盤「3DEXPERIENCE platform」だ。ダッソー・システムズのクラウドを利用しているもので、SolidWorks World 2014の初日に発表された構想設計ツール「SolidWorks Mechanical Conceptual」(以下、Mechanical Conceptual)は、この3DEXPERIENCE platform上に構築される(関連記事:「設計を抜本的に変える」、クラウド利用で構想設計をもっと自由に)。
SolidWorks 2015は、3DEXPERIENCE platform上ではなくWindows上で利用するが、一部分が3DEXPERIENCE platformにつながる仕組みが用意される。詳細は明かされなかったが、3DEXPERIENCE platformは専用のデータベースを持っていて、SolidWorksからそのデータベースに接続できるようになるという。これにより、3DEXPERIENCE platformの利点の1つである「ソーシャル&コラボレイティブ」(設計者や顧客がオンラインでつながり、データを共有して共同でモノづくりをするという考え)を享受できるとしている。
SolidWorks 2015の新機能
基調講演では、SolidWorks 2015の新しい機能が多数紹介された。以下はその一部である。
任意の箇所を囲むと、その部分だけがレンダリングされる(部分レンダリング)。これまでのように全体をレンダリングする必要がなくなるので、短時間でレンダリングが終了する。
非対象のフィレットを定義することができるようになる。
複数の点を打っていった際に、それらの点の間隔を1回のコマンドで等間隔にできる。
2つに離れた面と面を合致できるようになり、この画像に示した、はしごのような機構を容易に再現できる。
複雑な曲線に対して、数珠つなぎ(チェーン状)で部品をパターンコピーすることができる。下の画像でいえば、青い線(曲線)に沿って部品をどんどんコピーできる。
寸法の配置や開き方向を任意に切り替えられるようになった。寸法を入れ直す必要がなくなる(下の画像は、見にくくなってしまっているが、20.56度と表示されている)。
SolidWorks Simulationで、解析の途中経過が見られるようになる。画像は応力解析をしているところ。画像右下を見ると、まだ解析中(処理の17%が終了)であることが分かる。
サーフェスの編集が、より少ないコマンド数でできるようになる。
クラウド上のSolidWorksは「考えていない」
3DEXPERIENCE platformに一部の機能が接続される予定のSolidWorks 2015だが、「Mechanical Conceptualのようにクラウド上に実装される予定はない」(User Experience and Product Portfolio Management バイスプレジデントのAaron Kelly氏)という。ただし、顧客からのニーズはちらほらと聞こえ始めてきたようだ。
データ管理ツールがスマホ/タブレット対応に
SolidWorks 2015と併せて、製品データ管理ツール「SolidWorks Enterprise PDM Web2」が、スマートフォンとタブレット端末に対応することも発表した。スマートフォンやタブレット端末で、3次元モデルビュワー「eDrawings」を呼び出すこともできる。
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