新型「ティアナ」が“世界初”の後輪マルチリンクサスを採用、安定性が大幅向上:安全システム
日産自動車は、中型セダン「ティアナ」をフルモデルチェンジし、2014年2月5日から国内での販売を開始する。「世界初」(同社)となるコネクトブッシュを採用したマルチリンクサスペンションにより、競合車を上回る操縦安定性を実現しているという。
日産自動車は2014年1月21日、中型セダン「ティアナ」をフルモデルチェンジし、同年2月5日から国内での販売を開始すると発表した。2003年2月に発売した初代の「モダンリビング」、2008年6月に発売した2代目の「おもてなし」といったコンセプトに加え、今回の3代目では走行性能にもこだわり、余裕のある走りと快適性を高次元で両立させた車両に仕上がっているという。税込み価格は242万9700〜304万5000円。月間販売目標台数は520台。
新型ティアナは、2012年8月に北米で発売された「アルティマ」、2013年3月に中国で発売されたティアナの日本仕様車であり、2012年に国内で発売した「ラティオ」や「シルフィ」と同様にボディを共有してコスト削減を図ったグローバル戦略車となっている。外形寸法は、全長4880×全幅1830×全高1470mm。2代目と比べて、全長が30mm、全幅が35mm大きくなり、全高は5mm下がった。特に全幅については、初代、2代目とも、中型セダンの枠内に収まる1795mmだったが、グローバル戦略車である3代目は1800mmを大幅に上回った。
パワートレインには、中低速域のトルクを高めた排気量2.5l(リットル)の直列4気筒ガソリンエンジン「QR25DE」と、摩擦損失を40%削減し変速比幅を広げるなどした新開発の無段変速機(CVT)「新世代エクストロニックCVT」で構成。JC08モード燃費は、2代目と比べて26%向上し14.4km/lとなった。
「マークX」などの競合車と比べて群を抜く操縦安定性
新型ティアナは走行性能を重視して開発された。最も大きな改良ポイントとなったのが、後輪に新開発のマルチリンクサスペンションを採用したことだ。従来のマルチリンクサスペンションでは、横剛性を高めるリンクブッシュにより応答性を確保していた。新開発のマルチリンクサスペンションでは、世界で初めてコネクトブッシュを採用することによりタイヤの適切なトー角度を確保しやすくなり、操縦安定性を大幅に高めることができた。
トヨタ自動車の「マークX」やBMWの「3シリーズ」、Daimlerの「Cクラス」といった競合車と比べても、安定性は群を抜いて高い。
また、コネクトブッシュの採用により、道路の凹凸を乗り越えた時に発生するショックを、タイヤを後ろに動かすことで和らげる効果も得られた。凹凸乗り越し時のショックは、2代目と比べて14%低減できているという。
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