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2014年、進化する家庭用蓄電池とその未来和田憲一郎の電動化新時代!(10)(4/4 ページ)

家庭用蓄電池市場が大きく伸びている。東日本大震災で注目された非常用電源としての活用のみならず、最近はエネルギーマネジメントの基幹商品としても脚光を浴びている。家庭用蓄電池の有力企業3社への取材から、2014年に大きな発展が期待される家庭用蓄電池の現状とその未来を考察する。

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インタビューを終えて

 家庭用蓄電池事業を推進する3社にインタビューを行ったが、そこから見えてきたのは、単なる非常用電源にとどまらず、今後のエネルギーマネジメントの重要なデバイスとして大きく期待される姿であった。まだまだ発展途上ではあるが、2014年は以下に挙げる要素を充実させながら、家庭用蓄電池はさらに発展していくものと思われる。

(1)低価格化

 非常時のバックアップ電源として登場した家庭用蓄電池であるが、最近は据え置き型が主流となり電池容量も5k〜7kWhがメインとなっている。シャープも言及している通り、生産ボリュームの拡大に伴い、他社と比較して1kWh当たりの単価が割安と感じられるように、一段と低価格化が進むのではないだろうか。

(2)エネルギー平準化のためのバッファとしての役割

 非常時のみならず、通常時においてもエネルギーの有効活用を図ろうとする動きが広まっている。深夜電力で貯めた電力の昼間での活用、実用化が近いV2Hとの連動など、今後も電気を蓄え、必要な時に最適なストレージから電気を供給するシステムへの要求が高まっている。その中で家庭用蓄電池は、エネルギーの平準化/最適化の機器としてますます重要な役割を果たしていくと思われる。

(3)イノベーター層からアーリーアダプター層へ

 現在、家庭用蓄電池を購入しているのは1000軒に1軒と言われる程度である。マーケティングのセグメンテーション上ではイノベーター層に浸透した段階でしかない。今後は、低価格化や家庭内エネルギーマネジメントの必要性が高まるにつれ、アーリーアダプター層、さらにはアーリーマジョリティー層へと展開の可能性が出てくる。



 2014年、エネルギーの有効活用性はますます高まり、それを実現するためのデバイスとして家庭用蓄電池は重要な役割を占めるものと思われる。大きな飛躍が期待される家庭用蓄電池。今後も注目していきたい商品である。

筆者紹介

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和田憲一郎(わだ けんいちろう)

1989年に三菱自動車に入社後、主に内装設計を担当。2005年に新世代電気自動車の開発担当者に任命され「i-MiEV」の開発に着手。2007年の開発プロジェクトの正式発足と同時に、MiEV商品開発プロジェクトのプロジェクトマネージャーに就任し、2009年に開発本部 MiEV技術部 担当部長、2010年にEVビジネス本部 上級エキスパートとなる。その後も三菱自動車のEVビジネスをけん引。電気自動車やプラグインハイブリッド車の普及をさらに進めるべく、2013年3月に同社を退社して、同年4月に車両の電動化に特化したエレクトリフィケーション コンサルティングを設立した。


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