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ホンダの「ヴェゼル」はアクセルペダルがエコ運転を誘導する、実燃費を9%向上エコカー技術(2/2 ページ)

ホンダのコンパクトSUVの新型車「VEZEL(ヴェゼル)」は、1モーターのハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-DCD」を搭載するハイブリッドモデルがJC08モード燃費で27.0km/lを達成するなど高い燃費性能を実現している。さらに、エコ運転を誘導するアクセルペダル「リアクティブフォースペダル」により、実燃費を9%向上できるという。

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ハイブリッドモデルの燃費をさらに高める「リアクティブフォースペダル」

 新型「フィット ハイブリッド」のJC08モード燃費を、国内トップ(当時)に押し上げたi-DCDの実力は、ヴェゼルのハイブリッドモデルでも生かされている。FF車は27.0km/l、4WD車は23.2km/lで、国内で販売されているSUVでトップの燃費性能を実現した(電気自動車、プラグインハイブリッド車を除く)。SUVの4WD車でこれまで最も燃費が良好だったXV HYBIRDの20.0km/lを大きく引き離している。

 この良好な燃費をさらに高めるべく採用されたのが「リアクティブフォースペダル」である。ホンダの高級車ブランド「Acura」のセダン「RLX」で初採用されたシステムで、ホンダブランドの車両への採用は初となる。

「リアクティブフォースペダル」のカットモデル(左)とシステム構成図。カットモデルの上部にあるのが、反力を発生させるアクチュエータの入ったユニットである(クリックで拡大) 出典:ホンダ

 リアクティブフォースペダルは、アクセルペダルを踏み込む力に対して、走行状況に合わせた反力を発生させるアクチュエータを備えている。この反力を制御して、エコ運転のサポートや、雪道などでのアクセル操作の支援、運転支援システム「シティブレーキアクティブシステム」との連携といった機能を実現している。

 まず、エコ運転サポートでは、ドライバーのエコ運転度をメーターの速度表示部を囲むフローティングネオンリングの色を使って示すアンビエント表示と連動した制御を行う。走行モードがノーマルモードの場合は、アンビエント表示がエコ運転度の高い緑色からエコ運転度の低い青色に変わりきる直前に動作して反力を発生するように設定している。

「ヴェゼル」のハイブリッドモデルのメーター
「ヴェゼル」のハイブリッドモデルのメーター。速度表示部を囲むフローティングネオンリングの色を使ったアンビエント表示でエコ運転度を示す。エコ運転だと緑色、エコ運転でないと青色に変化する。スポーツモードにすると赤色になる(クリックで拡大) 出典:ホンダ

 ただし、ノーマルモードで発生する反力は3Nm。アクセルペダルを踏み込んで加速していく際の一般的な荷重である20〜25Nmと比べてかなり小さい。「無意識にペダルの重さを感じてペダルの踏み過ぎを抑えられる程度の反力に設定している」(ホンダ)という。

ノーマルモードでの反力変化のイメージ
ノーマルモードでの反力変化のイメージ(クリックで拡大) 出典:ホンダ

 エコ運転を重視するECONモードの場合は、アンビエント表示がエコ運転度の高い緑色からエコ運転度の低い青色に変わろうとするタイミングで反力を発生させる。さらに、強い反力を一瞬発生させてクリック感を感じさせることで、アクセルペダルをこれ以上踏み込むとエコ運転にならないことをドライバーに明確に伝える。「リアクティブフォースペダルとECONモードを併用すれば、実燃費を約9%向上できる」(ホンダ)という。

 なお、スポーツモードの場合、リアクティブフォースペダルは動作しない。

 次に、雪道など滑りやすい路面でのアクセル操作の支援では、タイヤのグリップ限界を超えてアクセルペダル踏み込んで、トラクションコントロールシステムが動作してしまう直前で動作する。FF車では、ECONモードのようなクリック感で明確に知らせるが、滑りやすい路面での走行を得意とする4WD車では、もう少し弱めの反力を発生させる。

 そして、シティブレーキアクティブシステムとの連携では、同システムの自動ブレーキや誤発進抑制機能が動作した場合に、「コンコンコン」とノックするように大きな反力を発生させてドライバーに危険を知らせる。「特に、誤発信抑制機能が動作する際には、ドライバーはアクセルペダルをブレーキペダルだと思って踏み込んでいるので、警告音や警告表示が出たとしてもさらに強くアクセルペダルを踏みこんでしまうことが多い。リアクティブフォースペダルによってアクセルペダルに反力が加われば、ペダルの踏み間違いに気が付きやすくなるはずだ」(ホンダ)という。

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