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税制改正大綱のエコカー減税拡充を検証、「アクア」は減税額が1万円以上拡大消費増税分は補えませんが(2/2 ページ)

自由民主党と公明党が正式決定した平成26年度(2014年度)の税制改正大綱では、2015年4月以降に軽自動車税を従来比1.5倍の1万800円に引き上げる一方で、エコカー減税が拡充されている。エコカー減税の減税額はどこまで増えるのか。「アクア」や「フィット ハイブリッド」などを例に検証した。

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「アクア」と「フィット ハイブリッド」は減税額が約1万2000円増える

 今回の変更でエコカー減税の減税額はどれだけ増えるのだろうか。日本国内で販売されている登録車でボリュームゾーンとなっている、排気量1.5l(リットル)エンジンを搭載する車両重量が1000kg〜1500kgのガソリンエンジン車/ハイブリッド車で考えてみよう。

 +20%達成車の代表的車両となるのが、トヨタ自動車の「アクア」やホンダの「フィット ハイブリッド」、日産自動車の「ノート」などだ。+20%達成車は、自動車取得税が免除になることは変わらないので、自動車取得税率の引き下げの恩恵は受けられない。しかし、初回の継続検査時の自動車重量税と登録次年度の自動車税については、軽減率が50%から75%に引き上げられる。このため、継続検査時の自動車重量税は7500円から3700円に、登録次年度の自動車税は17500円から9000円に減る。合計で減税額は1万2300円増えるわけだ。

トヨタ自動車の「アクア」(左)とホンダの「フィット ハイブリッド」(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車、ホンダ
日産自動車の「ノート」(左)とトヨタ自動車の「カローラ アクシオ」(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車、ホンダ

 +10%達成車の場合、自動車取得税の税率が1.25%から0.6%になる分しかエコカー減税の拡充によるメリットは得られない。例えば、トヨタ自動車の「カローラ アクシオ」の「1.5Xグレード」は、アイドルストップオプションを装着すると+10%達成車となり、税抜き価格は147万8429円である。これまでの自動車取得税については、税抜き価格×0.9×税率(1.25%)という計算式を基に、約1万6600円と計算できる。2014年度以降は税率が0.6%に下がるので、自動車取得税は約8000円で済む。つまり、減税額は約8600円増えることになる。

 達成車の場合、取得税が2.5%から1.2%に引き下げられるものの、登録次年度の自動車税の25%軽減がなくなる。例えば、カローラ アクシオの1.5Xグレードは、アイドルストップオプションを装着しない場合は達成車になる。税抜き価格は137万1429円である。従来の自動車取得税は、税率が2.5%なので約3万900円である。2014年度以降は税率が1.2%になるので、自動車取得税は約1万4800円に減る。しかし、登録次年度の自動車税の25%軽減による8500円の減税は得られない。このため、減税額は約6300円しか増えないのだ。

 もちろん、車両価格や車両重量、エンジン排気量によって実際の減税額は変わってくる。しかし、2014年度以降のエコカー減税では、+20%達成車が有利になるように設定されているようだ。

消費税増税には焼け石に水

 ただし、2014年4月には消費税率の5%から8%への引き上げも予定されている。アクアとフィット ハイブリッド、ノート、カローラ アクシオであれば、消費税の支払額は4万〜5万円程度増えることになる。エコカー減税の拡充で、減税額が1万円程度増えても、消費増税分には到底及ばない。2014年3月末に向けた駆け込み需要を抑える効果はそれほど期待できないとみられる。

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