「アクセラ ハイブリッド」採用の排気熱回収器、熱交換器のサイズと重量を半減:エコカー技術
フタバ産業は、マツダの新型「アクセラ」のハイブリッドモデル向けに、新開発の排気熱回収器「POWEREV(パウレヴ)」の生産を始めた。従来品と比べて、熱交換器の容積と重量約50%削減したという。
フタバ産業は、マツダが2013年11月21日に発売した新型「アクセラ」のハイブリッドモデル向けに、新開発の排気熱回収器「POWEREV(パウレヴ)」の生産を始めたと発表した。
マツダ初のハイブリッド車となる新型アクセラのハイブリッドモデルは、30.8km/lのJC08モード燃費を達成している(関連記事:新型「アクセラ」のハイブリッドモデル、排気熱を回収して燃費30.8km/lを達成)。ハイブリッドシステムの「SKYACTIV-HYBRID」は、トヨタ自動車からライセンスを受けた「リダクション機構付きTHS II」をベースとしているが、新たな燃費向上技術として独自の「排気熱回収システム」も採用している。この排気熱回収システムの中核部品となるのがフタバ産業のPOWEREVなのだ。
排気熱回収システムは、熱交換器を通じて排気ガスの熱をエンジン冷却水に伝えることで、エンジンの暖機を促進し、エンジン停止の機会を増やすとともに燃費向上にも貢献する。エンジン冷却水に伝えた熱をヒーターの熱源としても利用できるので、冬場や寒冷地での暖房効率も高められる。リダクション機構付きTHS IIを搭載するトヨタ自動車の「プリウス」も、排気熱回収システムを採用している。
しかし、新型アクセラのハイブリッドモデルは、セダンタイプの車両であったり、リヤサスペンションにマルチリンクサスペンションを採用していたりなど、プリウスよりも排気熱回収システムを組み込むためのスペースが小さい。このため、排気熱回収器を大幅に小型化する必要があった。
POWEREVは、フタバ産業の従来品と比べて熱交換性能を約30%向上させて燃費や暖房効率を向上する性能を高めるとともに、熱交換器の容積と重量約50%減らした。これにより、新型アクセラのハイブリッドモデルに排気熱回収システムを搭載できるようになった。
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