新型「アクセラ」のハイブリッドモデル、排気熱を回収して燃費30.8km/lを達成:エコカー技術
マツダは新型「アクセラ」の予約販売を2013年10月10日から始める。注目のハイブリッドモデルのJC08モード燃費は30.8km/l。ハイブリッドシステム「SKYACTIV-HYBRID」には、エンジン排気の熱エネルギーを回収して有効利用する「排気熱回収システム」が組み込まれている。
マツダは2013年10月9日、新型「アクセラ」の予約販売を同月10日から始めると発表した。新開発の排気量1.5l(リットル)のガソリンエンジン「SKYACTIV-G 1.5」モデルやハイブリッドシステム「SKYACTIV-HYBRID」モデルの他、改良を加えた排気量2.0lのガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」モデル、評価の高いディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 2.2」モデルをそろえた。販売開始は11月21日(SKYACTIV-G 2.0の手動変速機モデルは2014年春、SKYACTIV-D 2.2モデルは2014年1月)で、税込み価格は171万1500〜298万2000円。
「SKYACTIV-HYBRID」のモーターの最高出力は60kW
同社として初のハイブリッド車となる、SKYACTIV-HYBRIDモデルのJC08モード燃費は30.8km/lを達成した。SKYACTIV-HYBRIDは、ハイブリッドシステム向けに最適化を施した「ハイブリッド専用SKYACTIV-G 2.0」とモーター、エンジンとモーターの動力を駆動力として伝達するトランスアクスル、ニッケル水素電池パックから構成される。ハイブリッド専用SKYACTIV-G 2.0の最高出力は73kW(5200rpm)、最大トルクは142Nm(4000rpm)。モーターの最高出力は60kW、最大トルクは207Nm。システム合計出力は100kWとなっている。
SKYACTIV-HYBRIDは、トヨタ自動車からライセンスを受けて、「プリウス」などに搭載されている「リダクション機構付きTHS II」のハイブリッド技術を導入している。しかし、SKYACTIV-HYBRIDには、リダクション機構付きTHS II以外にも新たな燃費向上技術が採用されているのだ。それが「排気熱回収システム」である。排気熱回収システムは、排気の熱エネルギーを回収し、エンジンの暖機時間を短縮してエンジン停止の機会を拡大することができる。また、回収した熱エネルギーはヒーターの熱源にも活用できるので暖房効率を高められるのだ。この排気熱回収システムの効果もあって、30.8km/lという良好なJC08モード燃費を達成できた。
「SKYACTIV-G 2.0」も改良
SKYACTIV-G 2.0も改良された。排気システムの方式を4-1から4-2-1に変更。4-2-1は、4本の排気管をまず2本にまとめ、その後1本に収束させる構造で、排出ガス同士が合流するまでの距離を確保して、燃焼室への反射波の影響を減らし、燃焼ガスの掃気効果によって排気抵抗が少なく効率のよい燃焼が可能になる。従来比で、燃費が約9%向上し、トルク性能を高めることもできたという。
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