「賛否両論あっていい、もっといいクルマ作りたい」――トヨタ、5台のワールドプレミア:東京モーターショー2013(2/2 ページ)
トヨタ自動車が、東京モーターショー2013でセダンタイプの燃料電池車「TOYOTA FCV CONCEPT」やコンセプトカー「TOYOTA FV2」など5台のワールドプレミア(世界初出展)を実施。また、トヨタ自動車副社長の加藤光久氏から、同社のクルマ作りの方向性が語られた。
「直感で通じ合えるクルマ」を具現化――コンセプトカー「TOYOTA FV2」
ドライバーの運転支援だけでなく心のケアまでできる「パートナー」――トヨタが掲げる「トヨタハートプロジェクト」には、「お客さまにとって、かけがえのないパートナーでありたい」(加藤氏)という同社の新しいチャレンジの意思が込められているという。発表会ではイメージビデオとして、老人のドライビングをサポートする小型ロボット(長細い卵型)というシチュエーションで「パートナー」のカタチを紹介。元野球選手だった老人に天気予報を教えるロボットは、老人のその時の気分を予測して「(老人の)心の天候は不安定ですが。そういえはこの河川敷って……」と、老人に気分転換のため河川敷で降りてみることをごく自然に勧める。そこで少年野球チームのロストボールを剛速球で返球、そこからチームのコーチを頼まれる――。という筋書きだ。
そんな「直感で通じ合えるクルマ」を具現化したのが、コンセプトカー「TOYOTA FV2」だ。ドライバーが前後左右する体重移動によって行う直感的な運転操作により、ドライバーがTOYOTA FV2と「カラダ」で通じ合える仕組み。周辺の車両や交通インフラと通信でつながることで、危険を予知してドライバーに回避を促すなど、安全運転も支援する。
一方、「ココロ」を通じ合うための仕組みとして、TOYOTA FV2は独自のクラウドシステムを構築。ドライバーのパーソナル情報が蓄積された「TOYOTA HEART」とリンクして、TOYOTA FV2が成長するという。音声認識や画像認識などによりドライバーの感情を推測しておすすめの行き先を提案。フロントガラスへのAR(拡張現実)表示、ボディに設置したディスプレイ部の色や表示項目を自在に変化させるなどで、あたかも「愛馬」のようにドライバーと意思疎通を図る。「未来の“愛車”」を具現化したのがTOYOTA FV2というわけだ。
「『楽しくなければクルマじゃない』『トヨタはリボーンするんだ』。そんな思いを込めて、新型車の開発を続けてきました。ハチロク、クラウン、アバロン、RAV4などは、私たちが自信をもって、リボーンさせたクルマ。みなさん、どう思われますか? 私は『賛否両論』あっていいと思っています。嫌いじゃないけど、好きでもない――。そんなクルマはいらないと思っています。好きで、好きで、たまらない。このクルマ以外は考えられない――。お客さまにそう思っていただけるクルマをつくること。それがトヨタのクルマ作りの方向性です」(加藤氏)。
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