ホンダの新型「シビック Type R」、新開発の直噴ダウンサイジングターボを搭載:エコカー技術
ホンダは、小型車や中型車に最適な直噴ガソリンターボエンジン「VTEC TURBO」を新開発した。2015年に欧州市場での発売を予定している新型「シビック Type R」は、排気量2.0lモデルのVTEC TURBOを搭載する見込みだ。
ホンダは2013年11月19日、小型車や中型車に最適な直噴ガソリンターボエンジン「VTEC TURBO」を新開発したと発表した。排気量が2.0l(リットル)、1.5l、1.0lの3モデルを用意し、今後グローバルで発売する車両に順次適用して行く方針。2015年に欧州市場での発売を予定している新型「シビック Type R」には、2.0lモデルが搭載される見込みだ。
VTEC TURBOは、ホンダ独自の「VTEC」をはじめとした可変動弁機構を適用するとともに、高流動燃焼を用いた直噴ターボ過給によって出力を向上。ターボチャージャーなどの過給器を用いることで、エンジンの排気量を小さくしても出力性能を維持できる「ダウンサイジング過給」と呼ばれる手法により、燃費向上や各国の排出ガス規制への対応を図った。
排気量2.0lモデルは、エンジンが直列4気筒で、VTECや高出力型ターボチャージャー、直噴技術、高性能冷却システムにより高出力・高応答性を実現しているという。最高出力は206kW以上で最大トルクは400Nm。2015年に欧州市場で投入する新型「シビック Type R」への搭載を想定しているため、2014年から施行される欧州の排出ガス規制「EURO6」への適合も果たしている。
排気量が1.5lモデルと1.0lモデルは、VTECをはじめとした可変動弁機構を適用し、徹底した低フリクション化を図った新骨格の直列3気筒エンジンがベースになっている。これに、低イナーシャ高応答のターボチャージャーと直噴技術を組み合わせ、従来の自然吸気エンジンをしのぐ高出力・大トルクと低燃費を優れたバランスで両立しているとする。1.5lモデルの最高出力は150kW、最大トルクは260Nm、1.0lモデルの最高出力は95kW、最大トルクは200Nmである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 新型「フィット ハイブリッド」燃費世界一の立役者、「i-DCD」の仕組み
ホンダの新型「フィット ハイブリッド」が、「世界一の燃費性能」(同社社長の伊東孝紳氏)を実現できたのは、新開発の1モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-DCD」によるところが大きい。7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)の採用をはじめとするその仕組みはどのようになっているのだろうか。 - ダウンサイジング過給の「N-ONE Tourer」、競合の軽ターボを上回るトルク性能
ホンダの軽自動車「Nシリーズ」の第3弾「N-ONE」のターボチャージャ搭載車種である「N-ONE Tourer」は、「ダウンサイジング過給」を取り入れている。競合車種となるスズキの「ワゴンR スティングレー」、ダイハツ工業の「ムーヴ カスタム」と比較した。 - 新型「フィット」の1.3lエンジンモデル、燃費26.0km/lで日産「ノート」を上回る
新型「フィット ハイブリッド」の燃費性能に注目が集まっているが、同時に発表された新型「フィット」の排気量1.3lエンジンモデルも、JC08モード燃費が26.0km/lと極めて良好だ。日産自動車の「ノート」やマツダの「デミオ」といった、同格のガソリンエンジン車と比べて燃費性能で上回り、価格も安価である。