「アルト エコ」が「ミラ イース」に対抗、燃費35.0km/lを達成し6万円値下げ:エコカー技術
スズキは、軽自動車「アルト エコ」をマイナーチェンジし2013年12月18日に発売する。ライバル車であるダイハツ工業の「ミラ イース」を上回る35.0km/lのJC08モード燃費を達成し、税込み価格も約6万円の値下げとなる83万8950円からに設定した。
スズキは2013年11月19日、軽自動車「アルト エコ」をマイナーチェンジし同年12月18日に発売すると発表した。エンジンの圧縮比向上や燃焼改善、摩擦抵抗低減、パワートレイン制御の最適化などにより、ガソリンエンジン車のJC08モード燃費でトップとなる35.0km/l(リットル)を達成した。価格についても見直しを行い、最も安価な「ECO-Lグレード」で約6万円の値下げとなる83万8950円に設定した(税込み)。月間販売目標台数は、「アルト」を含めて7000台。
今回のマイナーチェンジでは、燃費向上のための改良が施された。まず、エンジンの圧縮比を、従来モデルの11.0から11.2に向上。次に、エンジンのピストン頂面を滑らかにしつつ、なだらかな凹面形状とすることによって燃焼効率を改善するとともに、圧縮比の向上に伴うノッキングを抑制した。そして、新開発の低フリクション(摩擦抵抗)エンジンオイルの採用や、エンジンオイルポンプの変更により摩擦抵抗の低減を実現している。さらに、エンジン内部部品の変更によって油圧特性を見直し、VVT(可変バルブ機構)の作動領域を拡大。加えて、エンジン制御の見直しとCVT(無段変速機)の変速制御の最適化で、より低いエンジン回転域でも走行できるようにして燃費向上につなげた。
これらの改良によりJC08モード燃費は、2WDモデルで35.0km/l、4WDモデルで32.0km/lを達成した。いずれも、ガソリンエンジン搭載車でトップとなっている。また、トヨタ自動車のハイブリッド車「アクア」との燃費差は0.4km/lで、ほぼ同じレベルに到達したことになる。
燃費と価格で「ミラ イース」を上回るも自動ブレーキは設定せず
アルト エコは2013年3月に、同社の次世代環境技術「スズキグリーン テクノロジー」を採用するなどして、当時のガソリン車でトップとなるJC08モード燃費33.0km/l(リットル)を達成していた(関連記事:「エネチャージ」搭載でJC08モード燃費が33km/lに、スズキの「アルト エコ」)。
しかし同年8月、ダイハツ工業がアルト エコのライバル車である「ミラ イース」のマイナーチェンジを発表。独自の低燃費技術「e:S(イース)テクノロジー第2弾」をさらに進化させることで、アルト エコを上回る33.4km/lのJC08モード燃費を達成した。さらに、運転支援システム「スマートアシスト」搭載グレードの追加や、最も安価な「Dグレード」の税込み価格を74万5000円に引き下げるなどした(関連記事:燃費33.4km/lの「ミラ イース」は75万円以下で買える、フロントフェイスも変更)。
今回のマイナーチェンジにより、アルト エコの燃費性能はミラ イースを大きく上回ることになる。また、販売価格についても、アルト エコで最も安価なECO-Lグレードは83万8950円であり、同程度の標準装備を持つミラ イースの「Lグレード」の89万円よりも5万円ほど安価になっている。なお、ミラ イースのDグレードは、キーレスエントリーやカーオーディオなどの装備や各部の加飾が省かれていて標準装備が異なるため、アルト エコのECO-Lグレードの比較対象にはしていない。
ただしアルト エコは、今回の改良では、「ワゴンR」や「スペーシア」に採用している自動ブレーキで先行車両との衝突回避が可能な「レーダーブレーキサポート」を搭載していない。ミラ イースの場合は、同様の機能を持つスマートアシスト搭載車両を選択できる。
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ダイハツ工業はスーパーハイトワゴンタイプの軽自動車「タント」をフルモデルチェンジした。JC08モード燃費は28.0km/l。従来モデルから12%向上したものの、競合車種の「スペーシア」の29.0km/lを上回ることはできなかった。これは、軽量化によって得られた車重の余裕を、燃費性能ではなく、使い勝手と乗り心地に振り分けたためだ。 - 燃費33.4km/lの「ミラ イース」は75万円以下で買える、フロントフェイスも変更
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スズキは、軽自動車「アルト エコ」をマイナーチェンジし、同年3月4日から発売する。新型「ワゴンR」に搭載した、減速エネルギー回生機構「エネチャージ」などの採用により、2WDモデルのJC08モード燃費を従来の30.2km/l(リットル)から33.0km/lに引き上げた。新たに追加した4WDモデルも、JC08モード燃費が30.4km/lとなり、30km/lを上回った。
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