アップル、“メイドインUSA”を拡大――米国アリゾナ州に新工場を建設:製造マネジメントニュース
アップルが“米国回帰”の傾向を強めている。「Mac Pro」の米国内生産の発表に続いて、アリゾナ州に新たな工場を建設することを明らかにした。
米アップルが“米国回帰”の傾向を強めている。「Mac Pro」の米国内生産の発表(関連記事:アップルが新「Mac Pro」の米国生産を正式発表――国内生産へ回帰)に続いて、アリゾナ州に新たな工場を建設することを明らかにした。アリゾナ州は2013年11月4日(米国時間)にアップルの新工場建設を歓迎するプレスリリース(PDF)を発行している。
アップルの新工場はアリゾナ州のメサに建設される。建設後は少なくとも700人がそこで働くとされ、工場建設に伴い、1300人規模の雇用がアリゾナ州に生まれる見込みだとされている。アリゾナ州知事のジャン・ブルワー(Jan Brewer)氏は「アップルは世界的な革新企業であり、アリゾナ州に迎えることを喜んでいる」とコメントしている。
同工場には、鉱物結晶関連企業である米GTアドバンスト・テクノロジーズが参画。工場建設や工場運営とともに、アップルへのサファイア材料の提供で複数年契約を結んだと発表している(プレスリリース)。GTアドバンスト・テクノロジーズにより、同工場ではサファイアガラスの製造が行われると見られているが、詳細については不明だ。
アップルは、「Mac Pro」の生産を、米国テキサス州、フロリダ州、イリノイ州、ケンタッキー州などで行うと発表したばかり。米国では、バラク・オバマ大統領の「製造業強化」の方針を掲げたこともあり、製造業の米国内への回帰が進行する。アップルだけではなく、ゼネラル・エレクトリック(GE)やフォード、キャタピラーなどがアジアや中米から米国内に生産を移管するなど、その動きは広がりを見せている。
日本貿易振興機構(JETRO)海外調査部 北米課の吉田薫氏は「製造業の米国内回帰は全体的なトレンドとはまだ言い難い面はあるが、ここ最近加速しているのは事実だ。『新興国で高まるコストとリスク』『国家間経済連携』『シェール革命』『モノづくり革新』の4つのポイントが、これらの動きを後押ししている」と話している(関連記事:製造業の米国回帰を後押しする“4つの波”とは?)。
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