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新型「タント」の燃費が「スペーシア」を超えなかった理由エコカー技術(3/3 ページ)

ダイハツ工業はスーパーハイトワゴンタイプの軽自動車「タント」をフルモデルチェンジした。JC08モード燃費は28.0km/l。従来モデルから12%向上したものの、競合車種の「スペーシア」の29.0km/lを上回ることはできなかった。これは、軽量化によって得られた車重の余裕を、燃費性能ではなく、使い勝手と乗り心地に振り分けたためだ。

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両側スライドドアを装備する「スペーシア」の燃費は……

 タントの競合であるスペーシアは、ボディの42%に高張力鋼板を採用するなどして車両重量を840kgまで低減した。圧倒的な軽量化によって実現したJC08モード燃費は29.0km/lで、後発の新型タントに対しても優位性を保ったままだ。

 しかし、新型タントが標準装備としている両側スライドドアを搭載する条件で燃費を比較すると、状況は変わってくる。スペーシアは、高位グレードの「Xグレード」とターボエンジンを搭載する「Tグレード」のみ、運転席側の後席ドアをパワースライドドアに変更するメーカーオプションを選択できる。これによって両側スライドドアにすると、Xグレードの重量は850kgから860kgに増加し、JC08モード燃費は27.8km/lとなる。新型タントをわずかに下回るのだ。

燃費計測基準が生み出す微妙な差

 軽量化によって得られた車両重量の余裕の使い道が新型タントとスペーシアで異なる理由は、JC08モード燃費の計測基準にある。車両重量を840kgまで削減しているスペーシアと、20kgだけ多い860kgの新型タントでは、燃費を計測する際の重量区分が異なるのだ。スペーシアのXグレードを両側スライドドアにした場合に燃費が低下するのは、新型タントと同じ燃費計測の重量区分になるからである。

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