「音声だけじゃない! これからは画像も送れる!!」――ニューゾーンの狭帯域画像伝送ソリューション:RISCON TOKYO 2013
狭帯域な無線通信環境で画像伝送できるソリューションをアクセルの100%子会社ニューゾーンが披露。狭帯域用静止画像伝送ユニット「NZ103U」と、デジタル簡易無線モジュール「NZ211M」(開発中)で実現する。
組み込み機器向けグラフィックスLSIなどを手掛けるアクセルの100%子会社ニューゾーンは、2013年10月2〜4日の3日間、東京ビッグサイトで開催されている「危機管理産業展(RISCON TOKYO)2013」に出展。高圧縮コーデック内蔵のグラフィックスLSI「NZ101」を搭載する狭帯域用静止画像伝送ユニット「NZ103U」と、無線機器の小型化・低コスト化を実現するデジタル簡易無線用LSI「NZ201」を搭載するデジタル簡易無線モジュール「NZ211M」(開発中)の2製品を用いた、無線による画像伝送ソリューションを披露した。
展示ブースでは、リモート側の監視カメラで撮影した映像をNZ103Uで高圧縮処理して、それをNZ211Mのデジタル簡易無線でセンター側に送信。センター側でその圧縮画像を復号し、モニターに表示するというデモンストレーションを実演。VGA(640×480ピクセル)サイズの画像を高圧縮しても、ノイズが少なく視認性が高い点をアピールしていた。
センター側の機器構成は、リモート側と同じくNZ103U+NZ211Mでも、PC+NZ211Mでも可能。「何よりも画像圧縮技術が一番のポイントで、元画像の100分の1以下までサイズを圧縮できる。この高圧縮技術により、音声トランシーバなどで使われているデジタル簡易無線のような狭帯域の無線通信環境でも“画像”のやりとりが可能となる」と説明員。イベント開催期間中、警察や消防関係の来場者が興味を示していたとのことだ。
NZ101を搭載するユニット製品NZ103Uは、筐体前面に操作パネルを備えており、画像/データ伝送の送受信操作や条件設定などが行える他、各種インタフェースも備えており、カメラ、センサー、モニター、無線機などを接続できる。NZ211Mは現在開発中で、製品化の際には名刺サイズの小型モジュールとして提供されるという。
NZ103U+NZ211Mの主な用途としては、農作物の育成状態の監視や、河川やダムの水位の監視などが考えられるとのこと。デジタル簡易無線であれば、携帯電話回線のように月額の利用料も掛からないので、運用コストを大幅に抑えられるそうだ。なお、「今回は、NZ103UとNZ211Mの組み合わせによるデジタル簡易無線での画像伝送デモをお見せしたが、業務用無線や防災無線、携帯電話回線など、既存の無線通信環境と組み合わせても利用できる」(説明員)とのことだ。
NZ103Uの販売は2014年初頭。NZ211Mは同年4月の販売を計画しているそうだ。また、その先の展開として「NZ103Uをより小型化・低コスト化した次期モデルや、NZ211Mの送信出力を現在の1Wから5Wにアップさせたモデルなども計画している」(説明員)という。
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