国内でも自動運転車は公道を走れる、日産が実用化時期の「2020」でナンバー取得:CEATEC 2013
日産自動車は、電気自動車(EV)「リーフ」をベースに開発した自動運転車の試験車両について、ナンバープレートを取得したと発表した。同社が、2020年までに自動運転車の実用化を目指していることから、取得したナンバーも「2020」となっている。「CEATEC JAPAN 2013」では、この自動運転車を使ったデモを行う予定だ。
日産自動車は2013年9月26日、電気自動車(EV)「リーフ」をベースに開発した自動運転車の試験車両について、神奈川運輸支局相模自動車検査登録事務所で自動車検査証及びナンバープレートを取得したと発表した。同社が、2020年までに自動運転車の実用化を目指していることから、取得したナンバーも「2020」となっている。また、IT&エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2013」(2013年10月1〜5日、幕張メッセ)では、自動運転車を使ったデモンストレーションを行う。
日産自動車は、2013年8月に米国カリフォルニア州アーバインで開催した自社イベント「NISSAN360」で、自動運転車を初公開している(関連記事:日産が2020年までに発売する自動運転車、「入手可能な価格で複数車種を用意」)。今回ナンバーを取得した自動運転車は、NISSAN360の自動運転車と同じく、市街地走行を目的とする自動運転技術を搭載している。
この自動運転技術は、レーザースキャナーと車載カメラを5個ずつ用いて、車両の周囲360度の状況を常時把握する。そして、他の車両に遭遇した際には、人工知能で対象車両の動きを解析し、蓄積された知識の中からその場に応じた適切な行動を選び出してハンドルやブレーキなどの運転操作を自動で行う。信号機のない交差点への侵入や駐車車両の追い越しといった複雑な運転環境でも、正しく状況判断して安全に走行できるという。
ただし、この自動運転車は、ドライバーの運転を高いレベルで支援する技術(高度運転支援技術)を搭載する車両としてナンバーを取得しており、ドライバーが常に操作介入を行えることが前提となっている。ドライバーが運転席に乗らない状態で、自動運転による走行を公道で行うことはできない。
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