中国で自動車、部品ともに日本の存在感低下――現地化進む日産、逆襲のトヨタ:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
アリックスパートナーズは、中国自動車関連市場の調査結果を発表。成長続ける中国市場において、自動車メーカー、部品メーカーともに日本企業は存在感を下げつつあることを明らかにした。
コンサルティングファームのアリックスパートナーズは2013年8月27日、中国自動車関連市場に対する自動車メーカー、部品メーカーの動向について調査結果を発表した。今回の調査は同社が2008年から毎年実施しているもの。同社が収集した一次情報、二次情報の他、中国内外の自動車メーカーや部品メーカーへのインタビューを通じてまとめている。調査の回答者は279人で、自動車メーカー関係者が137人、部品メーカー関係者が142人。
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中国の自動車販売台数は世界一を持続
中国の自動車販売台数は、北米や欧州の販売台数を超えており、今や世界一となっている。今回の調査結果でも、中国市場の成長率について「鈍化傾向にあるものの今後も高い水準を維持していく」としており、世界の自動車市場をけん引する市場であることをあらためて示した。
中国の2015年までの乗用車販売台数は、2007年を100%としたとき、2012年は2007年比233%となるなど2倍以上に成長。2013年は257%、2015年は310%で、2015年まで順調な拡大が続く見通しだ。
ただ成長率については徐々に鈍化する。中国進出企業へのアンケートによると2013年の中国の成長率は平均7.2%としているが、2016〜2017年には5.4%まで縮まる見込みを示している。一方、部品サプライヤー(部品メーカー)にとっても中国市場は引き続き期待市場であり続けるようだ。中国進出企業への調査では、中国市場の成長率は10%以上を維持すると見込んでいる。
進出企業へのアンケートでは、自動車メーカーの成長率と部品メーカーの成長率の予想で5%以上の開きがある。
この結果についてアリックスパートナーズ・アジアの日本共同代表深沢政彦氏は「部品メーカーが自動車メーカーに比べて高い成長率を見込むのは、1つはアフターマーケットにおける部品の交換ニーズが増えるからだ。中国における自動車の保有台数は2013年から2014年の間に1億台を突破し、アフターマーケット市場が大きく成長することが見込まれている。その成長の分だけ自動車メーカーよりも高い成長率を維持する。また生産の現地化により海外から輸入する部品を減らし中国国内で生産する動きが増えていることも追い風だ」と説明する。
広がるアフターマーケット市場
アフターマーケット市場は2013〜2018年までの年平均成長率(CAGR)30%で急成長する見込みだ。これに伴い部品メーカーへの調査では、「アフターマーケット専属の組織を作る」とした回答が「70.1%」を占めた。また、ディーラー経由の間接販売だけでなく「自社で直接販売する組織を設立する」とした回答も「68.8%」を占めるなど、アフターマーケット市場の広がりに対する期待感が高まっている。
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