新興国で売れる白物家電は?:市場調査(1/3 ページ)
洗濯機や冷蔵庫など白物家電と、小型家電を合わせた33品目の生産・販売予測を富士経済が発表した。要となる地域は中国、インド、東南アジアだ。販売数の成長が著しいのは血圧計である。
新興国市場は先進国市場とは状況が大きく異なる。市場が成熟しておらず、成長の余地が十分にある。例えば、各家庭に家電が十分に行き渡っていない。年齢構成(生産年齢人口の比率)が低年齢層に厚くなっていることや、好況不況の波が先進国とは異なることも魅力的だ。さらに各国固有のニーズもある。従って、米国市場や日本市場とは異なるアプローチが必要だ。
市場調査会社である富士経済は、世界市場を対象に白物家電と小物家電、33品目の調査結果を発表した。調査結果は多岐にわたる。例えば、東南アジア市場ではインドネシアを中心に家電の生産量が増加する一方、同国は販売市場としても期待できるという。
富士経済が調査した製品は4つのカテゴリに分かれている。洗濯機や掃除機など衣住関連(7品目)、冷蔵庫や炊飯器など調理関連(11品目)、ルームエアコンや電気給湯器など空調・給湯関連(5品目)、ヘアドライヤーや血圧計などパーソナルケア関連(10品目)である(図1)。
インドネシアやトルコが強い
以下では、主要新興国市場の動向と、3つの製品(冷蔵庫、ルームエアコン、血圧計)の予測について紹介する。
同社の調査では世界を10エリアに分けており、特に中国とインドネシア、インド、ブラジル、トルコ、ロシアの6カ国については注目すべき販売市場として重点的に調査したという(図2)。6カ国を合計すると、人口は30億人以上、GDPでも米国やEUを超える規模となる。生産拠点として大幅な伸びを見せるのは東南アジアとインドだという。東南アジアは域内人口が6億人(ASEAN)と巨大であり、周辺市場への供給拠点としても有力だからだ。特に洗濯機や冷蔵庫などの大型白物家電への投資が続いている。インドは2011年比で2017年には2倍の生産量へ、東南アジアは1.5倍に成長すると予測した。
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