「陸」「空」連携ロボで、トンネル崩落事故をなくせ!:TECHNO-FRONTIER 2013 ロボット
三菱電機特機システムは、「TECHNO-FRONTIER 2013」(会期:2013年7月17〜19日)の特設会場「最先端のロボットメカトロニクス・デモ」において、千葉大学 野波研究室で開発された「完全自律型マルチロータ式電動ヘリコプター(ミニサーベイヤー)」と、三菱電機特機システムのクローラ型ロボット「CWDシリーズ」を組み合わせたロボット活用の新コンセプトを提案した。
三菱電機特機システムは、「TECHNO-FRONTIER 2013」(会期:2013年7月17〜19日)のデモンストレーション会場において、千葉大学 野波研究室の「完全自律型マルチロータ式電動ヘリコプター(ミニサーベイヤー)」と、三菱電機特機システムのクローラ型ロボット「CWDシリーズ」を組み合わせた、ロボット活用の新コンセプトを提案した。
主に、電波の届きづらい長いトンネルの点検や原子炉建屋の調査を想定。CWDシリーズを母艦とし、その上にミニサーベイヤーを載せて遠隔操作で調査対象周辺まで進み、そこからミニサーベイヤーを飛ばして、人がアクセスできないような高所などの調査を行うものである。
ミニサーベイヤーとは、千葉大学大学院 工学研究科 野波健蔵教授が中心となり開発した自律型飛行ロボットである。空撮や監視・計測といった情報収集、農薬散布、軽量物の搬送などのミッションの遂行を目的としている。東日本大震災においても、2011年5月に津波被害の状況把握のために導入された他、2012年8月には福島県川俣町での放射線計測などでも活用されている。2012年10月には、産学官の50を超える組織・機関が参画し、「ミニサーベイヤーコンソーシアム」が設立され、早期実用化に向けた開発が進められている。
現段階では、ミニサーベイヤーとCWDシリーズでそれぞれ制御コントローラ(操縦装置)が必要になるが、CWDシリーズは無線の中継機としての機能も備えるので、それを経由することでミニサーベイヤーも遠隔操作できる。今回のコンセプトは、三菱電機特機システムが消防庁に提案導入した「消防用偵察ロボット FRIGO-M」と同じ、有線接続1台、無線接続1台の計2台構成を想定して考えられた。「無線側の1台をミニサーベイヤーに置き換えたら可能性が広がるのでは?」という思いから検討が進められたという
一方、三菱電機特機システムのCWDシリーズは、クローラ走行(Crawler Wheel Drive)方式を採用した小型・軽量の遠隔操作ロボットである(既に製品として販売されている)。日常の作業現場(点検・警備など)だけでなく、危険物の処理や災害現場などでの活用を想定し、開発されたもので、防じん・防水性に優れ、衝撃や振動に強い設計を採用している。制御コントローラ(操縦装置)との通信は、有線および無線による接続が可能で、カメラやセンサーなどからの情報をリアルタイムに取得することができる。
「有線通信でCWDシリーズを運用し、さらにCWDシリーズとミニサーベイヤーとの間も有線で接続してしまえば、ミニサーベイヤーへの電力供給もケーブルを通じて行えるため、稼働時間の制限もなくなる。また、着陸の際もCWDシリーズ側でケーブルを巻き取りながらミニサーベイヤーを着陸させることができるため、着陸時の位置制御などをある程度簡略化できるのではと考えている」(説明員)。
先日、国土交通省は社会インフラの維持管理にロボットを活用するため、「次世代社会インフラ用ロボット開発・導入検討会」を設置すると発表(2013年7月12日)。三菱電機特機システムとしても、こうした追い風を受けて「何とかここ1、2年の間で製品化して、市場に提案したい」(説明員)考えだ。
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