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新型「フィット ハイブリッド」のJC08モード燃費は36.4km/l、DCTで効率向上エコカー技術

ホンダは、2013年9月に発売予定のハイブリッド車(HEV)「フィット ハイブリッド」のJCO08モード燃費が36.4km/l(リットル)を達成したと発表した。トヨタ自動車のHEV「アクア」の35.4km/lを約3%上回り、電気自動車やプラグインハイブリッド車を除いた国内乗用車で最も良好な燃費となっている。

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ホンダの新型「フィット ハイブリッド」

 ホンダは2013年7月19日、2013年9月に発売予定のハイブリッド車(HEV)「フィット ハイブリッド」のJCO08モード燃費が36.4km/l(リットル)を達成したと発表した。現行フィット ハイブリッドの26.4km/lを約38%、トヨタ自動車のHEV「アクア」の35.4km/lを約3%上回り、電気自動車やプラグインハイブリッド車を除いた国内乗用車で最も良好な燃費となっている。

 ホンダは、現行のフィット ハイブリッドなどに搭載されている「IMA(Integrated Motor Assist)」に替えて、新たなハイブリッドシステムとして「SPORT HYBRID」を開発した。SPORT HYBRIDは、1モーターの「i-DCD(Intelligent Dual Clutch Drive)」、2モーターの「i-MMD(Intelligent Multi Mode Drive)」、3モーターの「SH-AWD(Super Handling-All Wheel Drive)の3種類がラインアップされている(関連記事:2013年のホンダはハイブリッドで攻勢、車載リチウムイオン電池も3倍に増産)。


モーターの出力とトルクは「IMA」の2倍以上

 今回発表した新型フィット ハイブリッドに搭載されているのは、小型車向けに開発された1モーターのi-DCDである。新型フィット ハイブリッドのi-DCDは、新開発の直列4気筒の排気量1.5lアトキンソンサイクルエンジン、モーターを内蔵した7段変速のDCT(デュアルクラッチトランスミッション)、HEV向けのリチウムイオン電池パックやインバータ、DC-DCコンバータを統合したIPU(インテリジェントパワーユニット)から構成されている。また、36.4km/lの燃費を達成するために、減速エネルギーを電力に回生する際の効率を高める電動サーボブレーキシステムや、エンジン負荷を低減する電動コンプレッサーも採用した。

新型「フィット ハイブリッド」の外観(左)と、新開発の1モーターハイブリッドシステム「i-DCD」(クリックで拡大) 出典:ホンダ

 新開発エンジンは、最高出力が81kW(6000rpm)、最大トルクが134Nm(5000rpm)。現行フィット ハイブリッドの排気量1.3lエンジンが、最高出力65kW(5800rpm)、最大トルク121Nm(4500rpm)なので、出力、トルクとも大幅に向上している。なお、現行フィット ハイブリッドのスポーツモデル「RS」に搭載されている排気量1.5lエンジンは、最高出力が84kW(6000rpm)、最大トルクが144Nm(4800rpm)となっている。これと比べると、新開発エンジンの出力とトルクは落ちるが、これはi-DCDとの組み合わせに最適化しているためだろう。

 モーターは最高出力が22kW、最大トルクが160Nm。現行フィット ハイブリッドのIMAで用いられているモーターの最高出力10kW、最大トルク78Nmと比べて、2倍以上になっている。電池パックも、現行フィット ハイブリッドのニッケル水素電池からリチウムイオン電池に変更。出力電圧は、約1.7倍の172.8Vにまで高められている。これによって、出力やトルクが2倍以上になったモーターのサイズアップを最小限に抑えている。エンジンとモーターを合わせたシステム出力は、最高出力が101kW、最大トルクが170Nmである。

DCTの変速制御でエンジンやモーターを効率良く利用

 新型フィット ハイブリッドが、JC08モード燃費で36.4km/lを達成する上で、最も大きな役割を果たしたのは、走行時のエンジンとモーターの切り替えを最適に制御する7段変速DCTである。

 DCTは、クラッチとギヤが奇数段と偶数段の2系統に分かれた構造になっており、この2系統を交互につなぎ替えることで滑らかな変速を実現する。i-DCDでは、エンジンがDCTに常時接続されているが、1速、3速、5速、7速の奇数段でモーターが接続される。モーターだけで走行する、いわゆるEV走行を行う場合には、奇数段の状態でクラッチそのものを切り離してモーターの動力だけを用いることになる。

「i-DCD」の走行状態に合わせた制御
「i-DCD」の走行状態に合わせた制御(クリックで拡大) 出典:ホンダ

 発進時や低中速での走行時、減速エネルギーをモーターで回生する際にはモーターだけを使用し、加速時や高速走行する際にはエンジンをモーターを併用する。走行状態に合わせてDCTの変速制御を行うので、エンジンやモーターを効率良く利用できるとともに、出力やトルクも必要なだけ得られるというわけだ。

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