5年後の人気メーカーへの転職を狙い、就職先で“技術”を磨く。満を持して応募したその結果は……:製造業エンジニア、転職活動の心得(2/2 ページ)
就職氷河期に就職活動した野口さん(仮名)は、「5年後にはS社に転職する」という思いを秘めてI社に就職。I社でS社に必要とされる技術を磨いた上で、S社の中途採用に応募しましたが、その結果は思いも寄らぬものでした。
企業からの評価は?
不合格の理由としては、緊張してしまってうまく技術力をPRできなかったから仕方がない、と思っていたところ、予想外のフィードバックをもらったのです。
S社の評価は、技術力に関しては問題がなかったが、コミュニケーション能力の面で採用を見送ったとのことでした。当初、後輩の指導・プロジェクト管理経験については、技術力のおまけ程度に考えていた野口さん。S社では、こうした後進の指導やプロジェクト管理の経験を高く評価していたそうです。
コミュニケーション能力について人材紹介会社経由でS社によく聞くと、主体性の欠如・提案力の不足ということが問題だったようです。面接の前に行った模擬面接の際にも、顧客に行った提案などがあれば、もっとPRした方が良いとアドバイスされたことを思い出しました。
それまではキャリアアップといえば、野口さんは技術力を中心に考えていました。が、実務経験が想像以上に重視されることが分かり、その後プロジェクトの中などで提案を積極的に行うようにしました。1年経てばリベンジ(再応募)ができるそうなので、数年内には再度S社に挑戦する予定です。
技術ばかりではなく、人間力を磨くことも重要
若手のITエンジニアの中には、「先端技術に触れることができる大手のメーカーに転職したい」と考える方は少なくないようです。先端技術に関わるために、技術力の有無が最も重要だと思う方もいらっしゃるようですが、企業の評価ポイントは少し異なります。
企業の評価するポイントは、技術はもちろん重要ですが、提案力やリーダー経験がより重要となってきます。エンジニアの場合は、すぐに即戦力として働ける方を求めています。
その場合の即戦力になるか否かで重要なのは、コミュニケーションを周囲と取りながら、主体的に動けるかどうかです。
技術力の高いメーカーで働きたいと考える方こそ、より人間力が重要なのかもしれません。
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