マツダが「SKYACTIV-DRIVE」をタイで生産、2015年度上期から年産40万基で:エコカー技術
マツダは、タイのチョンブリ県に建設する新たなトランスミッション工場の起工式を実施した。MPMTは2015年度上半期から稼働する予定で、同社の新世代自動変速機「SKYACTIV-DRIVE」を年間で約40万基生産する計画である。マニュアル変速機「SKYACTIV-MT」については、現時点では生産を予定していない。
マツダは2013年7月5日、タイのチョンブリ県に建設する新たなトランスミッション工場「マツダパワートレインマニュファクチャリング(タイランド)(以下、MPMT)」の起工式を実施したと発表した。MPMTは2015年度(2016年3月期)上半期から稼働する予定で、同社の新世代自動変速機「SKYACTIV-DRIVE」を年間で約40万基生産する計画である。マニュアル変速機「SKYACTIV-MT」については、現時点では生産を予定していない。
MPMTの土地面積は約20万9000m2、建屋面積は4万9000m2。投資金額は約260億円である。MPMTが位置するチョンブリ県は、首都バンコクの南東に位置し、工業団地などが多く存在している。2011年夏の洪水発生時に、洪水の影響を受けなかった地域の1つである(関連記事:洪水が明けて――今年の雨季をタイ現地企業はどう乗り越えるか?)。
マツダは、2015年度までに、グローバルの年間販売目標台数170万台を目指している。170万台のうち、同社の新世代技術「SKYACTIV」を搭載する車両の比率を80%まで高める方針で、これに対応した生産体制の強化を推進している。
SKYACTIVに対応したトランスミッションの生産体制については、防府工場中関地区(山口県防府市)の年間生産能力を、2014年7月に現在の約1.5倍となる114万基まで増強する計画を発表したばかり(関連記事:マツダがSKYACTIVトランスミッションを増産、2014年7月に約1.5倍の114万基へ)。2015年度上半期には、MPMTで生産する40万基が加わって、SKYACTIVトランスミッションの年間生産能力は総計154万基となり、2015年度のSKYACTIV搭載車の年間販売目標台数である136万台(170万台の80%)を上回ることになる。
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