これがアタラシイ時代のハイブリッド! 「レクサスIS300h」はエコも走りも両立:今井優杏のエコカー☆進化論(1)(2/3 ページ)
自動車ジャーナリストの今井優杏さんが、注目のエコカーと搭載技術を紹介する新連載がスタート。元レースクイーンで、現在はモータースポーツイベントでMCとしても活躍中であり、2013〜2014年の日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員も務める今井さんがエコカーの進化に迫る!
トヨタの最新ハイブリッド「レクサスIS300h」
そんな中で記念すべき連載第1回では、まさに最近私が「おお! これがアタラシイ時代のハイブリッドか!」と感動に打ち震えたクルマをクローズアップします。
そのクルマとは……ハイブリッド車量産のパイオニアであるトヨタ自動車の最新モデル「レクサスIS」、その中でも今回から新しく追加されたハイブリッドモデル「IS300h」をご紹介したいと思います。
まず、IS300hのハイブリッドシステムは、直列4気筒の2.5l(リットル)エンジンにプリウス同様の2モード式電気モーターを組み合わせ、“300”の名の通り、3lガソリンエンジン並みのカタログスペックを実現しているというもの。
ご存じの通り、この2モーター式のハイブリッドシステムは、ある程度の速度域・距離までモーター走行ができるというのが大きな特徴です。停止していたものを動かすのにかかる大きなトルクを生み出すにはたくさんの燃料が必要だったのですが、そこをバッテリーに蓄えた電気でまかない、ある程度慣性の法則が働いたところでガソリンエンジンを使うので燃料消費量が少なくて済むというのはもう定説でしょう。
IS300hには、先に発売された「クラウン」のハイブリッドモデル(以下、クラウンハイブリッド)と同じガソリンエンジンが搭載されていますが、電気モーターだけでなく、そのガソリンエンジン自体にもトヨタの誇る低燃費技術が盛り込まれていて、何やら執念めいた燃費への情熱が見え隠れしていました。
そもそもクラウン同様、先代のV型6気筒から直列4気筒にダウンサイジングされたエンジンですが、その理由もキッパリと明快で「燃費のため」とのこと。
さらに燃料の筒内直接噴射+ポート噴射により希薄燃焼をさせること(そもそも燃料を少なく噴射すればもちろん使用量も少なくなるというワケです)、それから、EGR(排気ガス循環機構)によりポンプロスを抑えること(燃料消費量をさらに削減します)、フリクション低減技術など。つまり徹底的に不安要素をツブす作戦。
組み合わされたのは、「レクサスGS450h」をベースにしつつ、さらにトルクを拡大させたFR車用のハイブリッドトランスミッション(最大トルクは、GS450hが275Nm、IS300hが300Nm)です。
こちらも、同じシステムが先述のクラウンハイブリッドに搭載されていますが、それら先行モデルとの違いがもう1点あります。それは、リダクションギアを1段にしているところですね(GS450hとクラウンハイブリッドは2段変速式)。これによりまたもさらに軽量化され、ロスを減らし、先述の2モデルよりも小さいボディを持つISにもすっぽりと収まったというわけです(もちろん、GS450hのV型6気筒エンジンとIS300hの直列4気筒エンジンの性格の差に合わせたということもあります)。
さらにCVTです。無段変速ですから、小さいエンジンで回転数が低くても出力は高く保てます。
その結果、JC08モード燃費は23.2km/lを達成。電動シートやシートヒーターなんかが備えられた重量級とおぼしき重厚な内装が拍子抜けするくらいの良好な燃費を実現しておりました。
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