ホンダ「ASIMO」が自らの機能を自ら説明――自律型説明ロボットの実証実験で:人の意向を瞬時に認識
ホンダは、2013年7月3日〜8月2日の期間、同社のヒューマノイドロボット「ASIMO」を用いた「自律型説明ロボット」の実証実験を日本科学未来館で実施。ASIMOは来館者とコミュニケーションをとりながら、自らに備わっている各種機能を説明する。
ホンダは2013年6月26日、同社のヒューマノイドロボット「ASIMO」(関連記事1)を用いた、「自律型説明ロボット」の実証実験を日本科学未来館 3階「未来をつくる」ロボットステージで実施すると発表した。実施期間は、同年7月3日〜8月2日である(注)。
この実証実験は、ロボットの強みである記憶能力を生かし、さまざまな説明内容をあらかじめ蓄積し、複数のセンサーから来館者のニーズを推定して、分かりやすくものごとを伝えることのできる自律型説明ロボットの価値を実証するものである。そして、同社は人や環境の状況が常に変化する“リアルワールド(現実世界)”において、人とASIMOとがインタラクティブなやりとりを行うことによって得られるさまざまなデータを、今後の研究開発にフィードバックしていきたい考えだ。
実施期間中、ASIMOは日本科学未来館の来館者とコミュニケーションをとりながら、自らに備わっている各種機能を説明する。その際、ASIMOからの質問に返答する来館者の意向を推定したり、身振りを交えて分かりやすく解説したりといったことを行いながら、人とASIMOとのインタラクティブなやりとりを実現する。さらに、来館者の行動をネットワークを介してセンシングすることで、オペレーターがASIMOに逐次指示することなく、ASIMO自らが数十人の来館者の反応を瞬時に認識し、判断を繰り返して、説明の進行を自律的に行うことができるという。
同社は、今後も引き続き、人や社会に役立つロボットの実現を目指し、ASIMOをはじめとする、生活空間で人をアシストする「コミュニケーションロボット」と、人の立ち入れない場所で人の代わりに活動する「ワーキングロボット」(関連記事2、関連記事3)の2つの方向性で、ヒューマノイドロボットの開発を進めていく方針である。
注:期間中の火曜・土曜・日曜と、7月29日は実施されない。
ロボット開発の最前線
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