“動くプラモデル”を3Dプリンタ×Arduino×Raspberry Piで実現!? 低価格ロボキット「RAPIRO」:クラウドファンディングで製品化目指す
機楽は、はんだ付け不要の低価格ロボット組み立てキット「RAPIRO(ラピロ)」を開発。製品化に向けたプロジェクトを、英国発のクラウドファンディングサービス「Kickstarter」で立ち上げた。
玩具や電子機器の試作設計や量産設計を手掛ける機楽は2013年6月18日、はんだ付け不要の低価格ロボット組み立てキット「RAPIRO(ラピロ)」を開発。製品化に向けたプロジェクトを、英国発のクラウドファンディングサービス「Kickstarter」で立ち上げた。開発・製造などに必要な2万ポンド(約300万円)を募り、同年6月より先行予約販売を行う予定。クラウドファンディングでのRAPIROの価格は1台229ポンド(約3万4000円)。50台限定の先行予約特価として199ポンド(約2万9800円)のプランも設定している。
RAPIROの企画・デザインを機楽が担当し、3Dプリントサービスのジェイ・エム・シー、金型製作のミヨシ、電子部品の製造販売のスイッチサイエンスが製作面をサポートしている。
RAPIROには、首に1個、腰に1個、両足に2個ずつ(計4個)、両腕に3個ずつ(計6個)の合計12個のサーボモータと、サンプルプログラム書き込み済みのサーボ制御基板(ATmega328P搭載、Arduino互換)が搭載されており、二足歩行をしたり、手で道具を持ったりすることができる。サーボモータは首、腰、両足用(トルク:3.0kg・cm)と、両腕用(トルク:2.0kg・cm)の2種類があり、いずれもRAPIRO向けの特別仕様であるという。ちなみに、サーボモータの動作速度(0.12sec/60度)と可動角度(180度)は共通。さらに、両目部分は、RGB値で制御できるフルカラーLEDを内蔵する。
RAPIROの名前の由来である、“RAspberry PI RObot”から分かる通り、頭部に、名刺サイズ小型Linuxコンピュータ「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」(別売り)と、Raspberry Pi専用のカメラモジュール「Raspberry Pi HD Video Camera module」(別売り)を組み込むことができる(関連記事1、関連記事2)。
Raspberry PiをRAPIROの頭部に組み込むことで、前述のカメラモジュールの他、スピーカーやディスプレイ、その他USBデバイス、LANケーブルなどを接続して、機能を拡張することができる。これに併せて、カメラを使った画像認識やUSBマイク入力による音声認識、FacebookやTwitter連携など、Raspberry Pi上で動作するサンプルプログラムなども順次公開していく計画だという。
製品化された際には、RAPIROのプラスチック部品の3Dプリンタ用の3Dデータ(STLファイル)や、Arduino互換マイコンボード用の制御プログラムもWebサイト上に公開していく予定である。
ロボット開発の最前線
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