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3Dプリンタで「今出しょう子」を実体化してみたエイッとはいきません(2/2 ページ)

微妙に話題になった@ITの美少女(?)キャラクター「今出しょう子」。3Dプリンタの話題もホットなので、最新技術を無駄遣いして「エイッと」作ってみることにした。あえて“微妙な感じ”を忠実再現して造形した。

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ビッグしょう子データ

 「このデータをそのまま使って造形すると、全長3mぐらいになりますよ。実際に造形する際の大きさはどうしましょう?」と、データを受け取ったストラタシスの担当者から連絡が。こちらからは、「3Dプリンタで造形する」とPLANETサイドに伝えたのみだったこともあり、いろいろとデータが応用できるようにと、あらかじめデータサイズを精細に大きくしてくださっていたようだ。

 3mといえば、モアイ像と同じくらい。ストラタシスのハイエンド3Dプリンタでも到底対応できないサイズだ。ちなみに同社製品中最大である「Objet1000」の造形サイズは1000×800×500mm(100cm×80cm×50cm)まで。しかし、仮に3m級のものが作れたのだとしても、置き場所に困る。


3m級で出力された場合のスケール感:人を食べそうなサイズ *Photo contributed by Phil Whitehouse

 今回はデータを全長25cmほどに縮めていただき、無難なサイズで造形してもらった。縦方向に積層していくため、しょう子を寝かせる形でデータをセットした方が造形時間が短くなる。


造形過程

 ちなみに3次元CADの初心者は、作成モデルのスケール感がつかみづらい。寸法を入力して形を作っているはずでも、案外、頭の中で大きさが実感できていないものだ。3Dプリンタの造形は、CAD初心者がスケール感をつかむための経験がしやすいのも利点だろう。

鋭利なしょう子像

 ストタラシスからあがってきたしょう子像は、以下。造形専用の光硬化樹脂製で、結構重たい。今回は、白の単色で造形した。


しょう子像

 ZPrinter製の物は、色付きな上にサイズも小さく、かわいらしい「しょう子“フィギュア”」だった。一方のObjet製の物は、「しょう子“像”」と呼ぶのにふさわしい、やや重厚な感じの造形物となった。


自立するしょう子像

 頭が大きくて足が小さく、重さもあるしょう子像だが、きちんと自立する。PLANETによるモデリングの時点で重心がしっかり考慮されていた証拠だ。

 しょう子像の髪の先端は、かなり鋭利に造形されている。指で触ると、結構痛い。今回は、業務用機種で造形しただけあり、細部の精度が高く仕上がっている。


@IT側からは、「イカみたい」というコメントも

3次元データ作りにチャレンジしよう

 例えばパーソナル切削加工機の場合では、造形の際に「段取り」が必要だが、3Dプリンタの場合はそれが必要ない。また射出成型時に注意するアンダーカットなども考慮しなくてよい。3Dプリンタ登場により、モノづくり自体のハードルはかなり下がっている。

 ただし、3Dプリンタは、あくまで加工手段の1つだ。また個人用と業務用では、当然ながら機能差も大きい。将来、3Dプリンタが普及したら、「熟練職人の技術がいらなくなる」「町工場の仕事がなくなる」といった意見は誤解でしかない。切削や射出成形、プレス、3Dプリンタ、とそれぞれの加工手段には利点と欠点がある。将来も、用途や求める品質によってそれらを使い分けていくだけの話だ。

 さて、3Dプリンタを使うために、くどいけれど、大事なのは「3次元データを用意できること」。3次元CAD・CGに慣れた技術者以外にとって難しい関門だ。

 しかし、前向きに解釈すれば、「3次元データを用意さえできれば、さまざまなモノが作れる」ということ。無償3次元CAD・CGツールであっても、一昔前には考えられなかったほどのレベルのモデリングが可能だ。設計を抜きにすれば、オペレーションそのものは、比較的「習うより、慣れろ」の世界である。ちょっとした小物入れや、機械設計要素がないキャラクターで簡単なものであれば、プロの設計知識がなくてもチャレンジしやすい。

 3次元CAD・CGを使ったことがないという方は、MONOistを含む、さまざまなWebサイトでモデリングノウハウが無料で公開されているので、ぜひチェックして、できればチャレンジをしてみよう。今は、個人で手配できる造形サービスや、サラリーマンの給料でも少し頑張れば買える3Dプリンタも登場しているので、資金に余裕があれば、ぜひ造形まで挑んでみたい。


小学生でもできる!

関連情報

 第24回 設計・製造ソリューション展(DMS2013)も、さまざまな3Dプリンタの出展でにぎわうようだ。今回、DMS2013に出展するストラタシスのブース情報は下記。同社の「Objet」「FDM」の各種プリンタを展示するという。2012年12月に旧ストタラシスとオブジェットが合併し、新企業になってから初の出展だ。

第24回 設計・製造ソリューション展(DMS2013)

会期 2013年6月19〜6月21日 10:00〜18:00※最終日のみ17:00終了

会場 東京ビッグサイト

ストラタシス・ジャパン、アルテック ブース情報

東ホール(小間番号:27-30)


第24回 設計・製造ソリューション展特集

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