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組み合わせにプロの極意! 品質とコストの両立をかなえるには?甚さんの「バンバン板金設計でキャリアアップ」(12)(2/3 ページ)

実は、プロの技術の1つ1つに難しいことはない。その組み合わせ方に極意あり! 組み合わせの技術で品質とコストの両立をかなえよう。

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 組み合わせることができる知恵や賢さがあれば、それでプロになれます。ウンチクを語る「設計オタク」がいますが、設計者は大工や料理人より、はるかに簡単で楽な職業なのです。

 恐れることは何もありません。どんどん設計職人を目指してください。

甚

その組み合わせの結果が、前回も出した図2だったよなぁ。



図2 頭の中に浮かぶ板金ボックスのイメージ図(「ついてきなぁ!加工部品設計で3次元CADのプロになる!」日刊工業新聞社刊)
エリカ

これ、本当にすごいわ! あっという間に、プロの作品ができたみたいです。


甚

おぉ、あんがとよ。しかし、最後の仕上げがある。まさしく、これは職人の用語だぁ。それはなんだと思う。良君が答えろ!


良

最後の仕上げは、「味見」ですよね。お客さまへお出しする前のセルフチェックや、料理長による第三者の検査です。


甚

冴えているじゃねぇかい、良君。とても、院卒とは思えねぇぞ。


 やっとほめられた良君です。

 筆者はよく「料理⇔設計」「料理人⇔設計者」とたとえを使って説明します。設計者も料理人も同じ職人なので、理解しやすいからです。

 例えば……、

  1. 設計⇔料理:料理も全てが組み合わせの技術である。創作料理でさえ、組み合わせの技術。料理に発明はほとんど存在しない。発明らしきことをすると必ず事故が発生する。例えば、「こんにゃく製ゼリー」「健康食用オイルの発がん性物質」「人工着色剤」「遺伝子組み換え食品」……。
  2. 設計書⇔レシピ:職人として、最も重要なアウトプットである。
  3. 図面⇔材料表:職人として、2番目に重要なアウトプットである。
  4. 検図⇔味見:お客さまにお出しする前の味見は当たり前の行為。
良

すんごくよく分かります。


甚

そんじゃ、図3を見ろ! これが、設計職人としての、最低限の検図だぁ。当然、覚えているだろうなぁ?


エリカ

断面急変部の探索スキャンですね! 私も、出図前は必ず実行しています。それじゃ、私の3次元CADでやってみますね。



図3 板金ボックスの出図前における断面急変部探索スキャン(「ついてきなぁ! 加工部品設計で3次元CADのプロになる!」(日刊工業新聞社刊)
エリカ

これでどうですか?


良

うわぁ、早! お見事ですよ、エリカちゃん。


甚

そんじゃ、今度は、良君が対策案をまとめてみろ!


良

これでどうですかぁ? 「シンプル・イズ・ベスト」なのは理解していますが、断面急変部1と4には、三角リブ(三角ビード)を施しました。



表1 断面急変部探索スキャンによる形状対策案

 三角リブについては、『甚さんの「バンバン板金設計でキャリアアップ」(3):三角リブは低コスト化設計の“調味料”』で説明しました。ぜひ、復習を。

エリカ

それは、板金部品の安定性や剛性を確保しつつ低コスト化する、オイシイ設計テクニック「三角リブ」ですよね? 私たち派遣設計者の間では常識です。


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