家電分野は縮小続く……。自動車は堅調で、エネルギー関連は期待:組み込み市場予測
ミック経済研究所は、組み込みシステム関連企業を対象とした市場調査を実施し、主要企業65社の個別実態を積み上げ、2013年度以降の市場規模を予測。マーケティング資料「エンベデッドシステム・ソリューション市場の現状と展望 2013年度版」としてまとめた。
ミック経済研究所は2013年5月16日、組み込みシステム・ソリューションを対象にした市場調査を実施し、マーケティング資料「エンベデッドシステム・ソリューション市場の現状と展望 2013年度版」を発刊したと発表した。
本調査は、組み込みシステム関連企業110社を対象とし、面接取材を中心に、アンケートや電話による調査を実施。主要企業65社の個別実態を積み上げて、市場全体を予測したものである。
同資料によると、2012年度の組み込みシステム・ソリューション市場の市場規模は、前年度比100.7%の8380億円となる見込み。市場を構成するハードウェア関連、ソフトウェア部品関連、サービス関連(受託開発・サービスを中心とする)のそれぞれの構成比は、ハードウェア関連が19.3%の1620億円(前年度比100%)、ソフトウェア部品関連が13.0%の1090億円(前年度比94.8%)、サービス関連が66.7%の5670億円(前年度比102.2%)となる。
2013年度は、円安による海外向け製品の開発・生産活動の活発化や、増税前の買いだめや高額品購入の増加が好材料として見込まれる。業種としては、自動車産業が国内外で好調で、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)、燃料電池自動車などの環境対応車の開発とEV/HEVの車種拡大が進み、車載機器や電子制御装置向けソフトウェアの開発が増加。さらに、半導体製造装置など、産業機器分野の投資回復も予想され、前年度比103.5%の8670億円となると予測している。リーマンショック後の不況とスマートフォンへの急速なシフトで低迷していた組み込みシステム・ソリューション市場がようやく堅調なプラス成長になるとのこと。
2014年度以降についても、従来の中枢分野であるAV家電は低調な推移が続き、スマートフォンへのシフトが進んだ携帯電話端末は徐々に伸びていくと予測。自動車は引き続き堅調な推移で、太陽光発電など、エネルギーコントロール分野の機器市場と電力監視、セキュリティカメラ、老朽化が問題視されているトンネルなどの保全監視といった監視・モニタリング市場は拡大が予想される。市場全体としては、2014年度以降、年率2%強の緩やかなプラス成長が続く見通しだという。
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